一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

ジャガイモとニンジンのでんぷん含有量について

質問者:   会社員   ohkun
登録番号3732   登録日:2017-04-19
よろしくお願いいたします。
地元の理科クラブで、息子とジャガイモとニンジンのでんぷんを取り出す実験をした際に疑問に思ったことを質問します。

実験は
①ジャガイモ(1/2個)、ニンジン(1/2本)をおろし金ですりおろす。
②すりおろしたものをサラシに包んで、桶に張った水中でもみほぐす。
③水中に舞ったでんぷんが沈殿するのを待つ。
④しばらくしたら、上澄みを捨て、沈殿したでんぷんにヨウ素液をかける。
というものでした。

疑問に思ったのは、でんぷんの沈殿量がジャガイモは大量であったのに、ニンジンは非常に微量だったことです。

栄養素を調べてみると、炭水化物含有量が100g当たりでジャガイモ18g、ニンジン8.7gとあり、実験結果程の差が見られませんでした。
貯蔵のされ方等、何か理由があるのでしょうか。
ご教授のほど、お願いいたします。
ohkun様

 みんなのひろばへのご質問有り難うございました。ジャガイモの場合は包んだサラシの中にあまり澱粉が残っていないのに、ニンジンの場合にはサラシの中に澱粉が沢山の残っているのが沈殿した澱粉量が少ない理由です。ニンジンの場合、サラシの中に大量の澱粉が残るのは、ニンジンの組織が丈夫で壊れ難いからです。古い参考書ですが(植物生理学実習、北海道大学理学部植物生理学教室編、養賢堂)、澱粉の定量法として、組織に塩酸を加え加熱し、分解されて遊離して来たブドウー糖を測れと書いてあります。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2017-05-03