一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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シダの鱗片

質問者:   教員   もも
登録番号3772   登録日:2017-05-27
中学、高校で生物を教えています。
今度授業でシダの観察をするので、シダについて復習を始めました。
そこで、ふと、気がついたのですが、シダの鱗片という削ったかつお節のような作りは何なのでしょうか?葉っぱのような形をしていますが、葉柄に葉っぱが生えるのはおかしいように思います。
進化の面で関連のある作りや由来について知りたいのですが調べてみましたがさっぱり分かりません。
教えていただけないでしょうか。よろしくお願い致します。
もも さん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。

確かにシダ植物の構造には特別な用語が使われて典型的な種子植物の構造とは違うようにも思われますが、維管束植物という点では同じで、種子を作らない維管束植物です。ご質問の鱗片は茎から葉柄下部の表皮系に見られる、通常厚さ1細胞、幅数細胞から十数細胞からなる突起物です。構造が鱗片状あるいは袋状のものもあるようですが、種に特異的な色、形状、構造をもつので種の同定に重要な指標とされています。
シダ類を含む植物にふつうに見られる毛(絨毛、毛状突起)、分泌毛などと同じく表皮系の細胞からなる構造物です。多くのシダは茎から葉が出るときゼンマイ、クサソテツ(コゴミ)などのように丸まって出てきます。毛状突起、鱗片は茎から新しい葉の葉柄にかけてでき丸まった幼葉を環境変化から保護する役割を果たしていると考えられているものです。種に特徴的な形状ですから進化との関連となると種分化と関連しますのでそこまでの関連ははっきりしていません。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2017-05-30
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