一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アルストロメリア葉はなぜつけ根でねじれているのか?

質問者:   一般   きこ
登録番号3848   登録日:2017-08-08
アルストロメリアの葉はつけ根でねじれていて、
葉の表と裏が反転しています。
葉の構造も反転している気がしますがそれは環境に対応し変化したとして、なぜねじれる必要があったのか?
不思議でなりません。教えてください。
きこ様

 みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答を東京大学の塚谷裕一先生にお願いしましたが、以下に書かれているように分からないらしいです。植物の世界、分からないことだらけです。

【塚谷先生からのご意見】
 ご質問ありがとうございます。
 
 アルストロメリアはご指摘の通り、葉が捻れるので有名ですね。最近は切り花だけでなく庭植えする方も増えてきたので、ますます身近になってこの不思議な形に注目する方も増えてきていると思います。
 
 で、ご質問の点ですが、正直分かりません。アルストロメリアでなくても、身近な日本産の植物のウラハグサというものがあります。「裏葉草」ですね。昔から盆養栽培で楽しまれてきた日本の山草で、斑入りのものは特に好まれてフウチソウ(風知草)とも呼ばれてきました。これも、葉が捻れています。名前の通り、裏と表がひっくり返るように捻れているのです。山野草店や、一般の花屋でも夏場にはよく売られているのでご覧になると、葉がきれいに裏返って、そのまま垂れています。自生地でも斜面に生えることが多いので、葉が垂れるのが普通の姿なのだと思いますが、それにしてもなぜ裏表が逆になるよう捻るのでしょう?これもそのメリットが分かりません。
 
 実はこのウラハグサと同じイネ科の植物には、やはり裏表をひっくり返すように捻れるものがいくつか知られています。アルストロメリアはイネ科ではありませんが、単子葉植物なのは共通ですね。いずれにせよ、これらの種類でわざわざ葉をひっくり返すことのメリットが何なのかは、今後の研究に待つ必要がありそうです。

  塚谷 裕一(東京大学大学院理学系研究科 教授)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2017-08-28
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