一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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ランの花弁のキラキラ

質問者:   教員   たーぼー
登録番号3855   登録日:2017-08-15
知り合いの子供さんからランの花びらでキラキラしているものがあるが、どうしてか。また、何の役にたっているのかと聞かれました。よくわかりませんので、ご教示ください。
たーぼー様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。ご質問のランは何ランなのでしょうか。ランの花と言っても姿形、サイズも多種多様ですし、ましてや花色は単色のものから複雑な模様のあるものまで千差万別です。「キラキラ」というのがどんなものなのかわかりません。例えば、「ある油があって、その臭い匂いは何か、またどういう作用があるのか」という問いに答えてくださいと言われたと同じように感じます。したがって、的確な回答はできませんが、花の色/模様について一般的に理解されていることを説明いたします。
花(植物)の色素はクロロフィル、フラボノイド、カロテノイド、ベタレインのグループに属する化合物です。植物の種類によって合成される色素は異なります。ほとんどの花がなぜ彩色されているのかということを考えると、回答が得られるかもしれません。花は植物の生殖器官で次世代に子孫を残すために種子を作る大切な器官です。そにためにまず受粉が必要で、受粉は多くの場合送粉者(花粉媒介者:pollinators) の助けを借りて行われます。送粉者の代表的な例は昆虫です。花の色はこれらの送粉者を呼び寄せるための手段で、他に香りがその働きをする場合もあります。また、ランの場合は特に花の形が重要な場合もあります。
ご質問の「キラキラ」している花弁(花びら)というのは形がそうなっているのか、色彩が光で反射しているのか、何か特別に輝く色があるのかと色々想像しますが、いずれにしろ、送粉者(昆虫ではないかもしれませんが)を引き付けるための役割を果たしているのだと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2017-08-16