質問者:
中学生
AYAKA
登録番号3869
登録日:2017-08-21
自由研究でベゴニアとミニトマトを通常と通常より暑い状態(ビニールで囲って)育てました。みんなのひろば
熱帯の植物はなぜ大きいものが多いのか
とちらもビニールの方が大きく育っています
よく考えると熱帯の植物の方が幹が太かったり高かったり
葉が大きかったりしています。
これはなぜでしょうか。
解答お願いします
AYAKAさん
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。あなたが行っている実験は、質問からだけ判断すると、ちょっと乱暴なように見受けますが、多分、「熱帯植物は大きく育つので、普通の植物も温度が高いところで育てると成長が良いのではないか?」という事を調べようとしているのでしょうか。また、質問の「これはなぜでしょうか?」というのは、「熱帯植物が大きく育つのはなぜか?」という問いなのか、「ビニールで覆うと成長が良いのはなぜか?」という問いなのでしょうか。ちょっとはっきりしませんので、一般的な観点から植物の成長と温度との関係について説明します。
まず成長という現象ですが、普通は大きくなる(栄養成長と言います)ということで成長が良いと判断するでしょう。しかし、花が咲くこと、果実ができてが種子が作られること(生殖成長と言います)も大事な成長です。農作物では葉野菜などのように栄養成長だけがよければいいものもありますが、トマトなどのように果実が重要なものも多いですね。あなたが扱っているベゴニアは木立ベゴニア、球根ベゴニア、根茎ベゴニアのどれかわかりませんが、また、それぞれのたくさんある品種の中のどれかもわかりませんが、いずれにしろ葉と花を観賞する植物ですね。ミニトマト(たくさん品種があります)はもちろん美味しい果実がたくさんなることが望ましいですね。あなたの場合は栄養成長を見ているのでしょう。しかし、成長の比較にしても、ただ見ただけではなく、背丈、節の数、葉の数とサイズ、また実験の最後には重さ(生の重さと乾燥した時の重さ)などを測定した上で、より詳しい成長の比較ができます。実験をする場合には、使う植物がどういうものかをちゃんと調べておくことも大切です。また、比較観察した植物の数はそれぞれ何本ずつですか。例えば一本ずつだと、その差は単なる個体差が原因かもしれません。複数の個体を使って、測定した数値の平均値で比較すると良いでしょう。また、ベゴニアにしろトマトにしろ栽培されているものは野生植物と違って、その起源(例えば熱帯地方)にかかわらず、現在の生育環境に適するように改変されていますので、栽培植物と野生植物を直接比較することにはいろいろと問題があります。これらのことを理解した上で、植物の(栄養)成長と温度との関係を述べることにします。なお、本コーナーの登録番号3159, 3735を参考のために読んでください。
どの植物にも最も成長に適した温度(適温)があります。ある温度範囲より低かっても高かっても成長は悪くなったり、障害を受けることになります。また植物によっては、一日中同じ温度が良いとは限りません、例えばトマトでは、品種にもよりますが、だいたい昼間は20℃~25℃が適温の範囲ですが、夜は10℃~20℃と低い方がよく成長します。あなたの実験ではビニールのカバーをかけたものとそうでないものとを比較したわけですが、前者の成長が良かったというのはたまたまそうなったに過ぎないかもしれません。昼と夜との外気の温度とビニールで囲った時の温度を、できたら毎日ちゃんと測定して比較してみてください。ベゴニアの場合は適温は15℃~25℃のようです。なお、植物の成長は給水量や土質、肥料はもちろんの事、温度の他に環境条件として湿度や光量(明るさ)光質(波長)にも影響を受けます。さらに、根の成長は地上部の成長に大きな影響をもたらしますので、根の張り方(成長)がどうなっているのかも大切でしょう(登録番号2803を参考にしてください。)。植物の成長(他の場合も同じですが)へのある条件の影響を調べるときは、成長に影響を及ぼすであろう他の条件は変わらないようにして比較実験を行うのがふつうです。
なお、熱帯植物には確かに葉の大きなものや幹の太いものもありますね。熱帯の植物は生育のための適温が温帯などの植物より高いところにあり、しかも熱帯では寒い時期がありませんので樹木でも落葉樹のようなものはなく、変わりなく最適条件で栄養成長が続けられるのかもしれません。しかし、日本でもトチノキやカシワのように葉の大きい樹木もありますし、北海道や秋田のフキは2m以上の背丈で葉も傘のようです。また、熱帯のように温度を高くしてやればどの植物も大きく育つとは限りません。
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。あなたが行っている実験は、質問からだけ判断すると、ちょっと乱暴なように見受けますが、多分、「熱帯植物は大きく育つので、普通の植物も温度が高いところで育てると成長が良いのではないか?」という事を調べようとしているのでしょうか。また、質問の「これはなぜでしょうか?」というのは、「熱帯植物が大きく育つのはなぜか?」という問いなのか、「ビニールで覆うと成長が良いのはなぜか?」という問いなのでしょうか。ちょっとはっきりしませんので、一般的な観点から植物の成長と温度との関係について説明します。
まず成長という現象ですが、普通は大きくなる(栄養成長と言います)ということで成長が良いと判断するでしょう。しかし、花が咲くこと、果実ができてが種子が作られること(生殖成長と言います)も大事な成長です。農作物では葉野菜などのように栄養成長だけがよければいいものもありますが、トマトなどのように果実が重要なものも多いですね。あなたが扱っているベゴニアは木立ベゴニア、球根ベゴニア、根茎ベゴニアのどれかわかりませんが、また、それぞれのたくさんある品種の中のどれかもわかりませんが、いずれにしろ葉と花を観賞する植物ですね。ミニトマト(たくさん品種があります)はもちろん美味しい果実がたくさんなることが望ましいですね。あなたの場合は栄養成長を見ているのでしょう。しかし、成長の比較にしても、ただ見ただけではなく、背丈、節の数、葉の数とサイズ、また実験の最後には重さ(生の重さと乾燥した時の重さ)などを測定した上で、より詳しい成長の比較ができます。実験をする場合には、使う植物がどういうものかをちゃんと調べておくことも大切です。また、比較観察した植物の数はそれぞれ何本ずつですか。例えば一本ずつだと、その差は単なる個体差が原因かもしれません。複数の個体を使って、測定した数値の平均値で比較すると良いでしょう。また、ベゴニアにしろトマトにしろ栽培されているものは野生植物と違って、その起源(例えば熱帯地方)にかかわらず、現在の生育環境に適するように改変されていますので、栽培植物と野生植物を直接比較することにはいろいろと問題があります。これらのことを理解した上で、植物の(栄養)成長と温度との関係を述べることにします。なお、本コーナーの登録番号3159, 3735を参考のために読んでください。
どの植物にも最も成長に適した温度(適温)があります。ある温度範囲より低かっても高かっても成長は悪くなったり、障害を受けることになります。また植物によっては、一日中同じ温度が良いとは限りません、例えばトマトでは、品種にもよりますが、だいたい昼間は20℃~25℃が適温の範囲ですが、夜は10℃~20℃と低い方がよく成長します。あなたの実験ではビニールのカバーをかけたものとそうでないものとを比較したわけですが、前者の成長が良かったというのはたまたまそうなったに過ぎないかもしれません。昼と夜との外気の温度とビニールで囲った時の温度を、できたら毎日ちゃんと測定して比較してみてください。ベゴニアの場合は適温は15℃~25℃のようです。なお、植物の成長は給水量や土質、肥料はもちろんの事、温度の他に環境条件として湿度や光量(明るさ)光質(波長)にも影響を受けます。さらに、根の成長は地上部の成長に大きな影響をもたらしますので、根の張り方(成長)がどうなっているのかも大切でしょう(登録番号2803を参考にしてください。)。植物の成長(他の場合も同じですが)へのある条件の影響を調べるときは、成長に影響を及ぼすであろう他の条件は変わらないようにして比較実験を行うのがふつうです。
なお、熱帯植物には確かに葉の大きなものや幹の太いものもありますね。熱帯の植物は生育のための適温が温帯などの植物より高いところにあり、しかも熱帯では寒い時期がありませんので樹木でも落葉樹のようなものはなく、変わりなく最適条件で栄養成長が続けられるのかもしれません。しかし、日本でもトチノキやカシワのように葉の大きい樹木もありますし、北海道や秋田のフキは2m以上の背丈で葉も傘のようです。また、熱帯のように温度を高くしてやればどの植物も大きく育つとは限りません。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2017-08-23
勝見 允行
回答日:2017-08-23