一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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シラタマホシクサの奇妙な花

質問者:   一般   ホシクサくん
登録番号3892   登録日:2017-09-02
10年くらいシラタマホシクサを栽培していますが、今年初めて奇妙な形の花が発生しました。通常白色の半球状の花ですが、半球状の花の周辺部から、長さ10mm幅1mm程度で葉っぱ状のもの(先端が白い)が20枚程付いています。何が変形して発生したのかご教示頂ければ幸いです。写真を添付すると良いのですが、本質問文に添付する方法が分からず、申し訳ありません。
ホシクサくん さん:

シラタマホシクサの頭状花は沢山の花の集合で、一つの花には3個の花弁があり白色の毛が密生しています。ご質問に添付された写真を見ると、長く伸びた緑色の先端に白色の毛がついています。花弁は葉の相同器官で、葉脈など葉と似た構造をもっており、写真では花弁が伸長して葉的性質を持ったもののように見えます。その根拠は伸長した部分は緑色化し、中央の主脈がはっきり現れ、先端には白色の毛が残っていることです。植物には「先祖返り」と言う現象が知られており、葉や花の形が先祖がもっていた形質を突然現す現象です。このコーナーの登録番号0903を参照ください。例えば八重咲きにはいろいろな型ありますが、萼片が花弁状になる場合、雄しべが花弁状になる場合などがあります。これが何かの原因で萼片や雄しべの形状に戻って一重咲き状になることがあります。これらと同様にシラタマホシクサの花弁が部分的に葉に戻ったものである可能性は高いと思われます。多くの場合形態形成に関わる遺伝子の発現プログラムが先祖型に戻ったものと考えられています。

「先祖返り」でwebsiteを検索すると沢山の例を見ることが出来ます。

JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2017-12-09
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