質問者:
一般
かつ
登録番号3918
登録日:2017-09-26
彼岸花の群落には5,6,7輪等の不定数な花が咲いているが、ある群落では5輪のみ、7輪のみ、9輪のみの花が咲いていた。(ただし彼岸花の本数は少なかった)この理由を説明するために次のことを考えたが正しいか。彼岸花の花の数
一つの球根はいくつの花をつくかは遺伝的に決まっている、球根の分割の際に遺伝子に変異が起こり花の本数が異なる、この分割がうまくいっているときはその群落の彼岸花は不定数の花をつける。分割が十分に行われていない状況では遺伝的な分散が起こらず、その群落の彼岸花の花の数は一定。
かつ様
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。
私の家の庭でもヒガンバナが咲きますが、確かに小花の数にはばらつきがあります。ご質問に対する回答は大阪府立大学農学部在職中にヒガンバナの花成について研究されたことがる森源次郎教授にお願いし、以下のような明快な説明を頂きました。
【森源次郎先生のご回答】
関西でのヒガンバナの花芽形成は、ふつう4月下旬に始まり、順次発達して9月下旬に開花することになります。開花時の小花数は4~10花(平均7花程度)です。この小花数は基本的には球根の大きさと比例し、大球ほど多くの小花を開花させることになります。群生している場所の球根の大きさがばらついていると小花数もばらつき、ほぼ同じ大きさであれば、小花数のばらつきは少ないということになります。
また、球根内での花芽形成は、開花予定の花数分が一斉に形成されるのではなく、一つずつ順をおって形成していきます。したがって、ある時点で花芽の発育をみると、早く形成した小花は大きく、遅れて形成した花芽は小さいということで、1つの花序の中で小花の発育にかなりのばらつきがみられます。ふつう、これらの花芽のうち遅れて形成した小さい2~3の花芽は発育の途中で枯死してしまいます。また、休眠中の根の有無や土壌環境(特に温度や乾湿等)の悪化も、開花時の小花数の減少に大きく関わっているようです。
遺伝的に5輪、7輪、9輪の花の存在は否定しませんが、もし、そのような遺伝特性の花があっても、ヒガンバナの開花特性から推察すると、逆に自然界では様々な環境要因の影響をうけて実際に開花する輪数にばらつきが生じて当たり前ではないかと思うのですが?
今回の観察では個体数が少なかったとのことですので、次年度も是非観察を続けて頂きたいと思います。
以上、私の考えを述べさせて頂きました。よろしくお願い致します。
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。
私の家の庭でもヒガンバナが咲きますが、確かに小花の数にはばらつきがあります。ご質問に対する回答は大阪府立大学農学部在職中にヒガンバナの花成について研究されたことがる森源次郎教授にお願いし、以下のような明快な説明を頂きました。
【森源次郎先生のご回答】
関西でのヒガンバナの花芽形成は、ふつう4月下旬に始まり、順次発達して9月下旬に開花することになります。開花時の小花数は4~10花(平均7花程度)です。この小花数は基本的には球根の大きさと比例し、大球ほど多くの小花を開花させることになります。群生している場所の球根の大きさがばらついていると小花数もばらつき、ほぼ同じ大きさであれば、小花数のばらつきは少ないということになります。
また、球根内での花芽形成は、開花予定の花数分が一斉に形成されるのではなく、一つずつ順をおって形成していきます。したがって、ある時点で花芽の発育をみると、早く形成した小花は大きく、遅れて形成した花芽は小さいということで、1つの花序の中で小花の発育にかなりのばらつきがみられます。ふつう、これらの花芽のうち遅れて形成した小さい2~3の花芽は発育の途中で枯死してしまいます。また、休眠中の根の有無や土壌環境(特に温度や乾湿等)の悪化も、開花時の小花数の減少に大きく関わっているようです。
遺伝的に5輪、7輪、9輪の花の存在は否定しませんが、もし、そのような遺伝特性の花があっても、ヒガンバナの開花特性から推察すると、逆に自然界では様々な環境要因の影響をうけて実際に開花する輪数にばらつきが生じて当たり前ではないかと思うのですが?
今回の観察では個体数が少なかったとのことですので、次年度も是非観察を続けて頂きたいと思います。
以上、私の考えを述べさせて頂きました。よろしくお願い致します。
森源 次郎(元大阪府立大学農学部)
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2017-10-02
勝見 允行
回答日:2017-10-02