一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

植物が酸素をはく量、吸う量の割合

質問者:   小学生   おやにゃん
登録番号4042   登録日:2018-03-10
植物が、光合成で酸素をはく量と、呼吸で酸素を吸う量の割合は、何対何(〇:〇)なのでしょうか?
教えて欲しいです!
よろしくお願いします!
おやにゃん さん

ご質問をありがとうございます。

例えば、暗闇(くらやみ)の中での植物のことを考えてみてください。この条件では、光が当たらないので光合成は行われず、酸素が放出される(吐かれる)ことはありません。しかし、呼吸はしているので酸素の吸収(吸うこと)は行われています。
この例から分かるように、光合成で放出される酸素の量と呼吸で吸収される酸素の量の割合は、植物のおかれている条件によって大きく変わってきます。この割合は植物の種類によっても変わり、また、同じ植物について言えば「光」・「温度」・「二酸化炭素」などの強さや濃さによって大きく変わります。もちろん、根や葉などの植物の体の部分や植物の生育の段階によっても大きく違ってきます。大まかな理解としては、光合成による酸素の発生は植物の体の分量が増える(生長する)ことの原因となっており、呼吸による酸素の吸収は植物の体の分量が減ることに関係していると言えます。

身近な植物たとえばイネについて言えば、光が当たって十分に光合成が行われている時には、呼吸により吸われる酸素の量は光合成により吐き出される酸素の量の十分の一をはるかに下まわっているものと思われます。

ところで、なぜ、この問題に注目されることとなったのでしょうか?


佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-04-14