質問者:
一般
PAPYRUS
登録番号4097
登録日:2018-05-08
定年退職後に趣味で植物観察を始めた者です。みんなのひろば
ハシリドコロの葉の付き方について
葉序や不等葉、異形葉などを主に観察しております。
つい最近、ハシリドコロの葉の付き方が、見たこともない形であることに気付きました。
とりあえず、自分なりの解釈を以下のブログにまとめましたが、内容に自信がありません。
https://blogs.yahoo.co.jp/ashikawapapyrus/15867064.html
https://blogs.yahoo.co.jp/ashikawapapyrus/15868726.html
顕微鏡さえ持ちませんので、どのような解釈が正しいかのご教示をお願い致します。
また、私の解釈は「葉柄と枝が合着した」ですが、そのような形態を示す植物はあるのでしょうか。
併せてご教示頂けますよう宜しくお願い申し上げます。
PAPYRUSさん:
みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ご質問は基礎生物学研究所の長谷部光泰先生に回答をお願いいたしました。
【長谷部先生のご回答】
ブログ、楽しく拝見させていただきました。葉序を詳しく観察されているので、すでにご存じかもしれませんが、
1.茎の下の方の最初に出た葉の葉序を観察する。
2.茎の先端の葉が新しくできている部分の葉序を観察する。
3.托葉の可能性を考える。
4.仮軸分枝の可能性を考える。
5.癒合の可能性を考える。
でだいたい理解できるかなと思います。
まず、ハシリドコロの下の方の葉を見ると葉が互生していると思います。なので、基本は互生です(PAPYRUSさんがブログで書かれていたり、杉山先生が登録番号3181で答えられているように葉序が変化する場合もあります)。托葉は左右同型になる場合が多いのでハシリドコロには当てはまらなさそうですし、ハシリドコロの属するナス科は托葉が無いものばかりなので、托葉の可能性は無さそうです。一方、食べるナスを始め、ナス科は仮軸分枝の種が多いです。仮軸分枝とは、主茎頂に花や花序ができて茎頂が止まり、その直下の葉から腋芽が出て、その腋芽がまるで主芽のように育ちます。やっかいなのは、花が形成されないで茎頂が止まることもある場合がよくあります(例えば、コハコベは一見すると仮軸分枝に見えませんが、実は仮軸分枝です:
http://www.nibb.ac.jp/plantdic/blog/?p=380)。
ハシリドコロの場合、小さな蕾の着いた茎の先端部分を観察するとわかりやすいかもしれません。仮軸分枝の視点を取り入れて観察されてみてください。
みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ご質問は基礎生物学研究所の長谷部光泰先生に回答をお願いいたしました。
【長谷部先生のご回答】
ブログ、楽しく拝見させていただきました。葉序を詳しく観察されているので、すでにご存じかもしれませんが、
1.茎の下の方の最初に出た葉の葉序を観察する。
2.茎の先端の葉が新しくできている部分の葉序を観察する。
3.托葉の可能性を考える。
4.仮軸分枝の可能性を考える。
5.癒合の可能性を考える。
でだいたい理解できるかなと思います。
まず、ハシリドコロの下の方の葉を見ると葉が互生していると思います。なので、基本は互生です(PAPYRUSさんがブログで書かれていたり、杉山先生が登録番号3181で答えられているように葉序が変化する場合もあります)。托葉は左右同型になる場合が多いのでハシリドコロには当てはまらなさそうですし、ハシリドコロの属するナス科は托葉が無いものばかりなので、托葉の可能性は無さそうです。一方、食べるナスを始め、ナス科は仮軸分枝の種が多いです。仮軸分枝とは、主茎頂に花や花序ができて茎頂が止まり、その直下の葉から腋芽が出て、その腋芽がまるで主芽のように育ちます。やっかいなのは、花が形成されないで茎頂が止まることもある場合がよくあります(例えば、コハコベは一見すると仮軸分枝に見えませんが、実は仮軸分枝です:
http://www.nibb.ac.jp/plantdic/blog/?p=380)。
ハシリドコロの場合、小さな蕾の着いた茎の先端部分を観察するとわかりやすいかもしれません。仮軸分枝の視点を取り入れて観察されてみてください。
長谷部 光泰(基礎生物学研究所 生物進化研究部門)
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2018-05-15
今関 英雅
回答日:2018-05-15