一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ハンノキが変色する理由

質問者:   会社員   ルミ
登録番号4119   登録日:2018-05-26
林業に携わってるものです。

ハンノキを伐採すると小口(断面部分)が橙色になるのは何故ですか?
ルミ 様

本コーナーをご利用下さり有り難うございます。この質問には森林総合研究所の吉田和正博士から回答文をいただきましたので参考になさって下さい。

【吉田博士からの回答】
ハンノキはカバノキ科ハンノキ属の落葉性高木です。以前は、良質の木炭の材料になるため、盛んに伐採されていたようです。さて、ハンノキの材が伐採後、何故橙色になるのかについて考えてみました。ハンノキの材にはジアリルヘプタノイド(類)と呼ばれる成分が多く含まれており、伐採するとそれらが空気に触れて酸化され、橙色の着色物質に変化すると考えられます。ただし、この点を証明した報告例は目にしておりません。なお、ジアリルヘプタノイド類は抗酸化作用、抗炎症作用、抗ウイルス活性などを持ち、美白効果に役立つ化粧品の開発にも利用されているようです。


吉田 和正(森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2018-05-30
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