質問者:
小学生
さきち
登録番号4187
登録日:2018-08-05
種が地球上に初めて生まれた時代を調べ、種子植物は石炭紀に生まれたことが分かりました。生命の歴史などが書かれた図鑑を参考にしました。みんなのひろば
種は絶滅時代に生き残ったか。
しかしその後に訪れる恐竜が絶滅した時代、種は生き残れたのでしょうか?
生きている植物の化石にはイチョウやメタセコイアがあることは知りました。
植物は枯れてしまっても種は残れたのかなと考えていますがその辺りを調べる資料がなかなか見つけられずにいます。
恐竜のように植物の歴史を調べるにはどんな資料を探してみたらいいかも含め、教えてください。
よろしくお願いします。
さきち様
みんなのひろばの植物Q&Aにを利用下さりありがとうございます。
種子植物の祖先が生まれた時期、恐竜の絶滅した時代、植物の生きた化石などいろいろしらべたのですね。すばらしいと思います。
恐竜の絶滅をひきおこしたのは大きな隕石が地球に激突したことによると考えられています。大きな隕石が地球にぶつかることによって、たくさんの粉塵が舞い上がり、太陽光を長い間さえぎりました。地上は暗くなり、気温も下がり、光を利用して生活している植物が生きていくのが難しくなります。多くの植物がかれると、植物を食料とする草食恐竜が生きていけなくなり、そのことで、草食動物を食料とする肉食恐竜も生きていけなくなったと考えられています。
質問は恐竜が絶滅した時代に、植物はどのようにして生き延びたのか?、種子のかたちで生き延びたのだろうか?ということですね。確かに、種子は硬い殻につつまれ、乾燥することで成長していくのに必要な活動を一時休止した状態になることで、不良環境にたえるのに適しています。しかし、大賀博士が見つけられた「大賀はす」のように2,000年前の種子が発芽した例はありますが、多くの植物の種子はもっと短い期間の間に発芽する能力を失います。恐竜の絶滅の時代は大賀はすの場合に比べても、もっとずーっと長い期間ですから、種子の形で生き延びた可能性はないのではないかと思います。
それでは、どのようにして生き延びたのかといいますと、不良環境でも生活できるように変化した植物が生まれたこと、今まで生活していたところから他のより良い環境の場所に分布を変えたことなどが考えられます。また、もともと地球上に広く分布していたもののうち、比較的影響の少なかった場所のものが生き延びたということもあるでしょう。
生きた化石とは、昔の性質をもった生物が限られた場所でほそぼそと生存している生物のことを言います。動物ではシーラカンス、植物ではイチョウやメタセコイアが有名ですね。イチョウの例をあげますと、昔は地球上に広く分布していたことが化石の分布でわかります。絶滅したと思われていたのですが、中国の山奥の日あたりの良い、水ぎわで見つかりました。イチョウの生存には、水を豊富に利用でき、日光が十分あたることが必要です。他の樹木が栄えるにつれ、日当たりが十分な場所が少なくなり、ほぼ絶滅に近い状態にまでなったと考えられています。なお、現在日本でも並木や神社にイチョウが普通にみられますが、それらはすべて人工的に増やしたものです。
イチョウの歴史については、「イチョウ奇跡の2億年史」(ピーター クレイン著、矢野真千子訳、河出書房新書)や「イチョウの自然史と文化史」(長田敏行著、裳華房)にくわしく書いてありますが、小学生には難しいと思います。大きくなったらぜひ読んでみて下さい。
どんな資料を調べればよいかという点ですが、子供向けの本をよくしりませんでしたので、図書館や本屋で探してみました。「そのはじまりと進化のなぞ(3)植物:地球をかえた奇跡のシステム」(リブリオ出版)という本がありましたが、あまり適当なものは見つかりませんでした。植物の歴史、進化、系統に関する本はたくさんありますが、小学生には難しすぎるだろうと思います。ネットで、植物の歴史、進化、系統で検索するといろいろ出てきますが、小学生向けの解説はみあたりません。ご両親に解説して頂くとよいでしょう。
みんなのひろばの植物Q&Aにを利用下さりありがとうございます。
種子植物の祖先が生まれた時期、恐竜の絶滅した時代、植物の生きた化石などいろいろしらべたのですね。すばらしいと思います。
恐竜の絶滅をひきおこしたのは大きな隕石が地球に激突したことによると考えられています。大きな隕石が地球にぶつかることによって、たくさんの粉塵が舞い上がり、太陽光を長い間さえぎりました。地上は暗くなり、気温も下がり、光を利用して生活している植物が生きていくのが難しくなります。多くの植物がかれると、植物を食料とする草食恐竜が生きていけなくなり、そのことで、草食動物を食料とする肉食恐竜も生きていけなくなったと考えられています。
質問は恐竜が絶滅した時代に、植物はどのようにして生き延びたのか?、種子のかたちで生き延びたのだろうか?ということですね。確かに、種子は硬い殻につつまれ、乾燥することで成長していくのに必要な活動を一時休止した状態になることで、不良環境にたえるのに適しています。しかし、大賀博士が見つけられた「大賀はす」のように2,000年前の種子が発芽した例はありますが、多くの植物の種子はもっと短い期間の間に発芽する能力を失います。恐竜の絶滅の時代は大賀はすの場合に比べても、もっとずーっと長い期間ですから、種子の形で生き延びた可能性はないのではないかと思います。
それでは、どのようにして生き延びたのかといいますと、不良環境でも生活できるように変化した植物が生まれたこと、今まで生活していたところから他のより良い環境の場所に分布を変えたことなどが考えられます。また、もともと地球上に広く分布していたもののうち、比較的影響の少なかった場所のものが生き延びたということもあるでしょう。
生きた化石とは、昔の性質をもった生物が限られた場所でほそぼそと生存している生物のことを言います。動物ではシーラカンス、植物ではイチョウやメタセコイアが有名ですね。イチョウの例をあげますと、昔は地球上に広く分布していたことが化石の分布でわかります。絶滅したと思われていたのですが、中国の山奥の日あたりの良い、水ぎわで見つかりました。イチョウの生存には、水を豊富に利用でき、日光が十分あたることが必要です。他の樹木が栄えるにつれ、日当たりが十分な場所が少なくなり、ほぼ絶滅に近い状態にまでなったと考えられています。なお、現在日本でも並木や神社にイチョウが普通にみられますが、それらはすべて人工的に増やしたものです。
イチョウの歴史については、「イチョウ奇跡の2億年史」(ピーター クレイン著、矢野真千子訳、河出書房新書)や「イチョウの自然史と文化史」(長田敏行著、裳華房)にくわしく書いてありますが、小学生には難しいと思います。大きくなったらぜひ読んでみて下さい。
どんな資料を調べればよいかという点ですが、子供向けの本をよくしりませんでしたので、図書館や本屋で探してみました。「そのはじまりと進化のなぞ(3)植物:地球をかえた奇跡のシステム」(リブリオ出版)という本がありましたが、あまり適当なものは見つかりませんでした。植物の歴史、進化、系統に関する本はたくさんありますが、小学生には難しすぎるだろうと思います。ネットで、植物の歴史、進化、系統で検索するといろいろ出てきますが、小学生向けの解説はみあたりません。ご両親に解説して頂くとよいでしょう。
庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-08-25