質問者:
小学生
KEKS
登録番号4196
登録日:2018-08-13
1年生から自由研究であさがおについて調べています。みんなのひろば
与える水分をかえたときのあさがおの成長の違いについて
今年は与える水分を、水・牛乳・米のとぎ汁・麦茶の4種類にし、育てています。水以外のものは50ccの牛乳・米のとぎ汁・麦茶をそれぞれ500mlの水で薄め、雨の日以外与えています。
35℃を超える特に暑い日には倍の量を与えています。
発芽時期はほぼ同時でしたが、麦茶で育てているあさがおがどんどん大きく育っていました。次いで牛乳、水、とぎ汁。とぎ汁は大幅に成長が遅れていました。
タネを植えてから47日目で牛乳の成長が麦茶の成長を抜かしました。
その後、牛乳がどんどん大きく成長し、花の数や葉の数なども多く、4種類の中で一番大きく成長しています。
そこで、なぜ牛乳を与えたあさがおが1番大きく育ったのか、米のとぎ汁で育てたあさがおはなぜ成長が遅かったのか、麦茶で育てたあさがおがはじめはよく育ったのはなぜか、何か理由はあるのか、偶然なのか知りたくて、質問させて頂きました。
補足として、
あさがおはすべて南側で育てていて、朝から強い日差しが当たっています。
昼からは影になります。
朝から葉に元気がなく、水分を与えれば元気にはなりますが、
花が咲いても、
きれいには咲かず、咲いた途端しぼんだような状態です。
また茶色いカメムシがたくさん付いていて、
葉の裏にタマゴをうみつけたり、(見つけたら駆除しています)
つぼみがキレイに右巻きになっていなかったり、
タネもまだ1つもできていません。
このように例年と違う育ち方をしています。
ちなみに、1年生の弟が学校から持って帰って来た、
北側(ほとんど日陰で夕方西陽が当たるくらい)で育てているあさがおはキレイに右巻きのつぼみができ、
キレイな花を咲かせていて、タネもできています。
ムシもついていません。
KEKS君
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。面白い実験ですね。多分何をあげると、アサガオは一番よく成長するかを見たかったのでしょうね。でも、どんな理由で牛乳、とぎ汁、麦茶を選んだのかな。ジュースやコーラや緑茶や洗剤などはダメだったのですか。また、どれも10倍に薄めた理由は何ですか。
質問に書かれた内容から判断すると、アサガオは種子をそれぞれ植木鉢か何かの容器に別々にまいて、さいばいの土は庭の土か何かを使ったのでしょうか。このような実験をするときに大切なことは、影響を見たい何かを与えることとの比較になるものを、必ず作るということです。これを「対照(たいしょう)」と言います。」KEKS君の実験では水だけのものを対照として作っているので、それは大変結構です。対照がない実験は、実験として成り立たないからです。しかし、ちょっと問題だと思うのは、実験に使ったアサガオはそれぞれ一本(1個体)だけではなかったかということです。もしそうだとすると、この実験結果から何か意味のあることをいうのはむりです。一般の生物を実験の材料にするときは、ふつう複数の個体を一組として使います。なぜなら、どの個体も全く同じ遺伝子を持っているわけではないので、1個体だけを使うと、それがたまたま特別だったのかどうかがわかりません。複数の個体だと、それらが全部同じように反応すれば、何かの影響があったのだという可能性が高くなります。だから、KEKS君の実験で牛乳を与えた時の成長が良かったということは、本当にそうだったのかどうかは、わからないことになります。
もう一つはっきりした方がいいのは、牛乳、とぎ汁、麦茶の初めの濃度(濃さ)はどうなっているのか。牛乳と麦茶は市販の同じ製品を使えば初めの濃度は変わらないでしょうが、とぎ汁は毎回ご飯を炊くときにできるものですから、げんみつに言うと毎回違うことになりますね。いずれにしろ、別に肥料をやっていないのであれば、牛乳も、とぎ汁も、麦茶も、例え10倍に薄めたにしろ、多かれ少なかれ養分を含んでいますから、水だけよりはアサガオの成長には役に立つと思います。しかし、元々の培養土の中にどれだけ栄養が含まれていたかということも影響するでしょう。もしかすると、牛乳の養分は主としてタンパク質と脂肪なので、それらが、土壌の中のバクテリアで徐々に分解されてゆっくりと効果をあらわしたのかもしれません。残念ながら、これだけでは何もはっきりとしたことは言えません。
最後に、弟さんが育てアサガオは KEKS君のアサガオよりよく育ったというのは、一つには今年は気温が異常に高かったので、一日中陽が当たっていた場所で育てたサガオはかえって成長が悪かったのでしょう。
これからも、いろいろ考えていろいろな植物の実験観察を続けてください。
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。面白い実験ですね。多分何をあげると、アサガオは一番よく成長するかを見たかったのでしょうね。でも、どんな理由で牛乳、とぎ汁、麦茶を選んだのかな。ジュースやコーラや緑茶や洗剤などはダメだったのですか。また、どれも10倍に薄めた理由は何ですか。
質問に書かれた内容から判断すると、アサガオは種子をそれぞれ植木鉢か何かの容器に別々にまいて、さいばいの土は庭の土か何かを使ったのでしょうか。このような実験をするときに大切なことは、影響を見たい何かを与えることとの比較になるものを、必ず作るということです。これを「対照(たいしょう)」と言います。」KEKS君の実験では水だけのものを対照として作っているので、それは大変結構です。対照がない実験は、実験として成り立たないからです。しかし、ちょっと問題だと思うのは、実験に使ったアサガオはそれぞれ一本(1個体)だけではなかったかということです。もしそうだとすると、この実験結果から何か意味のあることをいうのはむりです。一般の生物を実験の材料にするときは、ふつう複数の個体を一組として使います。なぜなら、どの個体も全く同じ遺伝子を持っているわけではないので、1個体だけを使うと、それがたまたま特別だったのかどうかがわかりません。複数の個体だと、それらが全部同じように反応すれば、何かの影響があったのだという可能性が高くなります。だから、KEKS君の実験で牛乳を与えた時の成長が良かったということは、本当にそうだったのかどうかは、わからないことになります。
もう一つはっきりした方がいいのは、牛乳、とぎ汁、麦茶の初めの濃度(濃さ)はどうなっているのか。牛乳と麦茶は市販の同じ製品を使えば初めの濃度は変わらないでしょうが、とぎ汁は毎回ご飯を炊くときにできるものですから、げんみつに言うと毎回違うことになりますね。いずれにしろ、別に肥料をやっていないのであれば、牛乳も、とぎ汁も、麦茶も、例え10倍に薄めたにしろ、多かれ少なかれ養分を含んでいますから、水だけよりはアサガオの成長には役に立つと思います。しかし、元々の培養土の中にどれだけ栄養が含まれていたかということも影響するでしょう。もしかすると、牛乳の養分は主としてタンパク質と脂肪なので、それらが、土壌の中のバクテリアで徐々に分解されてゆっくりと効果をあらわしたのかもしれません。残念ながら、これだけでは何もはっきりとしたことは言えません。
最後に、弟さんが育てアサガオは KEKS君のアサガオよりよく育ったというのは、一つには今年は気温が異常に高かったので、一日中陽が当たっていた場所で育てたサガオはかえって成長が悪かったのでしょう。
これからも、いろいろ考えていろいろな植物の実験観察を続けてください。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-08-17