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年輪がない植物もありますか?

質問者:   自営業   T.D.L.M.O
登録番号4259   登録日:2018-10-21
多肉植物など、切り口に年輪がないように見える植物もありますが、目に見えにくいだけで年輪があるのでしょうか?
また、そのような年輪がわかりにくい植物の樹齢は調べ方があるのでしょうか?
よろしくお願い致します。
T.D.L.M.O様

みんなのひろばの植物Q&Aを利用下さりありがとうございます。             

樹木の幹が太くなるのは、形成層の細胞分裂と分裂して生じた細胞の肥大によって材(二次木部)が形成されたことによります。このような形成層の活動は温度などの外界の環境によって影響を受けます。日本のように四季のある温帯では、春から夏にかけての生長の活発な時期に形成される材(春材)は直径が大きく、細胞壁の薄い細胞からできています。また、夏から秋に向けて成長の衰えていく時期に形成される材(秋材)では次第に細胞の直径が小さくなり、細胞壁が厚くなります。このようにして、淡い色の春材から細胞密度が高く、濃い色の秋材に移行し、次の年の春材へとつながります。材を形成する構成細胞の粗密の変化は一年周期であらわれますので、年輪として数えることができます。年輪がはっきり認められる樹木は一年周期の気候変動のある温帯に多く、変動の少ない熱帯では、年輪が見られないか、不明瞭な樹木がほとんどです。ただし、熱帯でも雨季と乾季のあるところの樹木には年輪が認められます。

年輪を数える以外の樹齢の測定法ですが、一年に一定数の分枝を行う樹種では、分枝を数えることで樹齢を推定できます。しかし、分枝した枝は脱落したり、変形したりしますので、若い樹木にしか用いることはできません。また、化石の年代測定に用いられている放射性炭素を用いる方法もあります。生物体を構成する炭素にはごく微量ですが、一定の割合で放射性炭素を含んでいます。この放射性炭素は大気中に存在する微量な放射性二酸化炭素を光合成によって取り込んだものです。死後、光合成による放射性炭素の供給はなくなりますから、生物体に存在していた放射性炭素は半減期5730年で崩壊していき、炭素元素中の比率が低下します。放射活性を測定することによって測定される比率の低下と半減期の長さから組織の死後からの時間が推定できます。しかし、放射性炭素の半減期が長いので、若い樹木には用いられません。古木に限られます。その他に、植林して樹齢と樹高や幹の太さの関係が調べられている場合は、その資料を参考にして、樹高と幹の太さを計測することで樹齢を推定できるでしょう。ただし、この場合も成育環境は多様ですので、限られた樹木、限られた場所の樹木に限られます。

年輪での樹齢の測定は、樹種にもよりますが、3000年にさかのぼることができるそうです。今のところ、年輪による測定に代わる汎用性のある方法はないように思います。


庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-11-07
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