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細胞の電気刺激への反応

質問者:   高校生   ゆうちゃん
登録番号4266   登録日:2018-10-30
こんにちは。
ここに質問するのは2回目です。先日はご回答いただきありがとうございました。ますます生物に親しみを持ち、このサイトを見るのが楽しみになっています。

2535の質問の中では、植物に少し電気を流すと成長が促進し、大電流の場合は損傷を受けてしまうということが分かりました。とても不思議だと思いました。
大電流を流した際、植物が損傷を受けることは分かったのですが、具体的に細胞内でどのような事が起こっているのでしょうか?電気による植物細胞の損傷について教えていただきたいです。お願いします。
ゆうちゃん様

質問コーナーへ再度ご来場歓迎いたします。今回は私が担当いたします。
植物に電気刺激を当ててその影響を見る実験は古く1930年代頃から沢山あります。本コーナーでもあなたの質問(登録番号2535、今回))の他にも 関連する質問(登録番号3935)が寄せられていますので、読んでみてください。
植物細胞(他の生物細胞も同じですが)では細胞膜などの膜電位を初め、無機イオン、イオン化された各種物質が細胞の機能維持や物質の移動(輸送)あるいは化学反応に大切な役割を担っています。したがって、外部から電流を与えると当然これらのことは何らかの影響を受けるでしょう。質問にも書いておられるように、これまでの実験では概略微小な直流電流は何らかの成長促進効果をもたらすようです。その場合植物体に負の電極がある方が効果があると言われています。残念ながらメカニズについては解析はなされていないようです(登録番号3935を読んでください)。
さて、大電流を与えた場合はどうなるかというと、他の生物の場合と同様に植物も枯死するか大きな損傷を受けます。これを逆手にとって農業上で利用する技術が30年ほど前に提案されています。一つの方法は火花放電(spark discharge)で、もう一つは継続的に電流を流す方法です。前者は25-60kVと言う高圧電流を1-3μsと言うとても短い間隔で与えるもので、除草や間引きや果物の熟成促進などに有効ということです。後者は15kV,54kWの高電圧を電極を直接植物接触させて流すものです。これは樹木の刈り込みや根菜類の葉を枯らすのに使われます。何れにしてもこれらの方法は植物全体を殺すか、部分的に殺すのが目的です。 
このように高圧電流は火花放電では落雷を受けたようになるでしょうし、継続的な場合(電圧はやや低い)でも急速な温度の上昇で植物組織は死ぬでしょう。


勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-11-05
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