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パパイヤの同性株と雌株の性質の違い

質問者:   会社員   八百屋の問屋
登録番号4268   登録日:2018-11-01
青果物卸の仕事をしています。今年は青パパイヤ(野菜パパイヤ)の取り扱いが過去最高で、人気の野菜になりつつあります。
果実には大きく分けて丸いものと長いものと二つの形状があります。
パパイヤに詳しい種苗会社の営業さんから、形状の違いは品種の違いではなく同性と雌の違いと聞きました。「元来パパイヤは雌雄異株の植物だったが、同性株が出来て以降は同性株同士の交配で採種しており、雄は致死遺伝子として種にならず、同性2:雌1の割合で種となる」とのことでした。

質問は、パパイヤは1本でも着果すると聞いています。同性株は自家受粉していると思いますが、雌株のパパイヤは単位結果(クローン?)で増殖しているのですか?それと、それぞれ形状に特徴があるのは何に起因しているのでしょうか?

また、青果の世界では縦長の果実(同性)の方が人気があるのですが、同性と雌の割合は遺伝的に決定されたもので変わることはないのでしょうか?

以上宜しくお願いします。
八百屋の問屋 様

みんなの広場、植物Q&Aコーナーをご利用頂き有り難うございます。
回答は果樹園芸がご専門の赤木先生にお願い致しました。

【赤木先生の回答】
(1)パパイヤは1本でも着果すると聞いています。同性株は自家受粉していると思いますが、雌株のパパイヤは単位結果(クローン?)で増殖しているのですか?それと、それぞれ形状に特徴があるのは何に起因しているのでしょうか?

パパイヤは「木」のようなものですので、種による繁殖では無く、挿し木のようなクローン増殖は可能です。また、それとは別に単為結果をする雌の品種がいくつかあります。
もう一つのご質問について、パパイヤ果実の形状と性は非常に深く関係していると考えられています。パパイヤの両性(同性)は、本来は持っていれば必ず雄になるはずの「Y染色体」に変異を生じたものであり、「雄花の雌しべが正常に成長した」ものです。ですので、両性花は雌花には似ていても、やはり雄花の影響を引きずっており、雌花とは少し構造が違うため、結果としてその果実の形も違ってきます。

(2)また、青果の世界では縦長の果実(同性)の方が人気があるのですが、同性と雌の割合は遺伝的に決定されたもので変わることはないのでしょうか?

前の質問での答えの中に書きましたように、現存する両全性(同性)は「Y染色体に遺伝的な変異を生じたもの」であり、これは今のところ1種類の変異であると考えられています。なお、このY染色体はYh染色体と呼ばれています。ですので、同性と雌の割合はこのYhが遺伝する率に依存しており、基本的にはその率が変わる事はありません。しかし、もしYh染色体とは別要因の両全性変異があれば、両全性(同性)のみを作り出す交雑なども可能となるでしょう。


赤木 剛士(京都大学農学部農芸研究科)
JSPP広報委員長
木下 哲
回答日:2018-11-05
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