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根におけるPINタンパク質の配置について

質問者:   高校生   西山
登録番号4272   登録日:2018-11-07
 学校の授業で、根を横たわすと、コルメラ細胞内のアミロプラストが重力方向にに沈降し、オーキシンを輸送するPINタンパク質が細胞膜の下側に局在するようになると習いました。
 そこで、根を鉛直下向きに伸ばした状態を考えたとき、アミロプラストが根の先端側に沈降するので、PINタンパク質は根の先端側の細胞膜に局在するのではないかと推測しました。しかし、実際には側面の細胞膜にも、PINタンパク質が並ぶと先生がおっしゃっていたので疑問に思いました。先ほど示した状況のもとで、PINタンパク質が根の先端側の細胞膜だけでなく、側面の細胞膜にも並ぶ仕組みは、重力屈性に関わる仕組みとは別物なのでしょうか。
西山 さま

植物生理学会みんなの広場Q&Aコーナーをご活用頂き有り難うございます。
ご質問の内容は、奈良先端科学技術大学院大学名誉教授、田坂昌生先生にご回答をお願い致しました。

【田坂先生の回答】
根の先端付近でも植物ホルモンのオーキシンは重力屈性に関与するだけでなく、根端付近での細胞の分裂、分化、伸長の制御(重力屈性はお主にこの細胞伸長の制御に関与)に関わり、さらに側根の形成など非常に重要な多くの植物の生育現象のコントロールに関わると考えられています。そしてこれらの、重要な働きの多くは重力の方向にかかわりなくコントロールされないといけないので、基本的にオーキシンは根の縦軸に対して同心円的にあまり偏らない様に分布する必要があります。そのために全体としてはPINが重力方向だけでなく側面にも均一に分布する傾向があります。そして、重力方向が変わると、それに応じてPINの一部の分布が少し偏る様に変化する事でオーキシンの分布を少し偏らせ、それによって個々の細胞の伸長に差を生じる事で根全体が重力方向に曲がるのだと考えられています。

田坂 昌生(奈良先端科学技術大学院大学名誉教授)
JSPPサイエンスアドバイザー
木下 哲
回答日:2018-11-19
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