一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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絞り咲きの遺伝について

質問者:   一般   Fuji
登録番号4275   登録日:2018-11-11
個人的な興味として葉に斑、花に絞りが入った植物が作れないかと思い質問しました。

斑入りは通常の遺伝にしたがうものや、種子親に細胞質遺伝によるものを使えばいいとわかるのですが、絞り咲きに関してはどのように遺伝するのかわかりません。
絞り咲きのアサガオの種が売られているので遺伝自体はするのでしょうが、トランスポゾンによる形質は通常の遺伝にしたがうものなのでしょうか? それとも種子親からのみの細胞質遺伝によるものなのでしょうか?
Fuji さま

Q&Aコーナーをご活用有り難うございました。
アサガオのトランスポゾンがご専門の基礎生物学研究所、星野先生にご回答をお願いしました。

【星野先生の回答】
ご質問ありがとうございます。
絞り咲きは、基本的に通常の遺伝、すなわちメンデルの法則に従って遺伝します。花の着色に関わる遺伝子やトランスポゾンが、核のDNAにコードされているからです。ただし、絞り咲きの花から種子を取って、そこから育てた植物が絞り咲きにならないことがあります。たとえば、赤白の絞り花の植物から、赤一色、あるいは白一色で絞りがない花の植物が分離します。このような現象はトランスポゾンの性質によるものです。分離するといっても確率は低いので「葉に斑、花に絞り」の植物を作るときに、気にされる必要は無いでしょう。
なお、アサガオにも斑入葉の系統がありますが、細胞質遺伝しません。絞り咲きとおなじように核のDNAが関わっていますから、斑入葉の系統を種子親とする必要はありません。またすでに、「葉に斑、花に絞り」のアサガオが多く栽培されています。ご参考になれば幸いです。




星野 敦(基礎生物学研究)
JSPP広報委員長
木下 哲
回答日:2018-11-19
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