質問者:
高校生
Rei7941
登録番号4276
登録日:2018-11-12
カラムシを種から栽培したいと考えています。その際に種をひとつ撒くのか複数個撒くのか、地中に埋めるのかまたは地表に撒くのかなどが分かりません。ご存知の様でしたら教えて頂きたいです。
みんなのひろば
カラムシ(アオソ)の種からの栽培について
Rei7941様
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。カラムシを種子から栽培されるということですが、カラムシ(Boehmeria nivea L.Gaud.)は 日本では作物・園芸植物というよりは本来は野草なので、特別な栽培方法があるわけではないようです。繊維をとる植物として昔はかなりたくさん利用されていましたが、今は趣味的に栽培されるようですね。中国ではカラムシは最強の天然繊維ということで、実際的な研究も幾つかあります。その一つによると、窒素肥料がいちばん大切で、生育密度はそれとの関係で決められると言っています。しかし日本におけるカラムシは自然状態では根茎(地下茎)でいくらでも増えますので、うっかりすると広がりすぎて困ることもあるくらいです。
昔カラムシを繊維の材料として栽培していた時は、株分けで増やしていたようです。日本でラミーと呼ばれるカラムシ(英語名:Ramie) の種子は販売もされているようですが、あなたはこれを使われているのですか。それとも野生の日本のカラムシ(Boehmeria nivea var. nipononivea ) の種子を自分で採取されたのですか。いずれにしても詳細な播種方法の記載を見つけることはできませんでした。
あるインドの研究論文によると、ラミーの種子は極めて小さいし発芽率は低いので、種子による繁殖は適切でないと書いてありました。彼らは人工寒天培地での植物体組織片からの繁殖方を提案していました。しかし、アメリカの栽培をしている人の記載によると、ラミーの種子は地表に蒔き、薄く上から土を被せる程度がいいということです。日本のカラムシも同じでしょう。野草には光発芽種子が多いので、カラムシもその仲間かもしれません。本コーナーで「光発芽種子」の用語を検索してください。一つずつ蒔くのが良いか、複数個蒔くのが良いのかはやってみないとわかりません。小さい種子ですから全体にパラパラと蒔けばいいのではないでしょうか。
カラムシの栽培についての英文の記載がネット上にありますので、参考のために下記にコピーしておきます。また、たくさんあるラミーの研究のうち一つを上げておきます。英文ですが頑張って読んでみてください。
(PDF) Ramie: The Strongest Bast Fibre of Nature - ResearchGate <https://www.researchgate.net/publication/262495545_Ramie_The_Strongest_Bast_Fibre_of_Nature>
Propagation
Seed - sow spring in a warm greenhouse and only just cover the seed. When they are large enough to handle, prick the seedlings out into individual pots and grow them on in the greenhouse for at least their first winter. Plant them out into their permanent positions in late spring or early summer, after the last expected frosts. Division in spring. Very easy, larger divisions can be planted straight into their permanent positions whilst smaller clumps are best potted up and kept in a cold frame until they are growing away well. Layering. Basal cuttings in late spring. Harvest the shoots when they are about 10 - 15cm long with plenty of underground stem. Pot them up into individual pots and keep them in light shade in a cold frame or greenhouse until they are rooting well. Grow them on for their first winter in the cold frame and then plant them out in the summer.
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。カラムシを種子から栽培されるということですが、カラムシ(Boehmeria nivea L.Gaud.)は 日本では作物・園芸植物というよりは本来は野草なので、特別な栽培方法があるわけではないようです。繊維をとる植物として昔はかなりたくさん利用されていましたが、今は趣味的に栽培されるようですね。中国ではカラムシは最強の天然繊維ということで、実際的な研究も幾つかあります。その一つによると、窒素肥料がいちばん大切で、生育密度はそれとの関係で決められると言っています。しかし日本におけるカラムシは自然状態では根茎(地下茎)でいくらでも増えますので、うっかりすると広がりすぎて困ることもあるくらいです。
昔カラムシを繊維の材料として栽培していた時は、株分けで増やしていたようです。日本でラミーと呼ばれるカラムシ(英語名:Ramie) の種子は販売もされているようですが、あなたはこれを使われているのですか。それとも野生の日本のカラムシ(Boehmeria nivea var. nipononivea ) の種子を自分で採取されたのですか。いずれにしても詳細な播種方法の記載を見つけることはできませんでした。
あるインドの研究論文によると、ラミーの種子は極めて小さいし発芽率は低いので、種子による繁殖は適切でないと書いてありました。彼らは人工寒天培地での植物体組織片からの繁殖方を提案していました。しかし、アメリカの栽培をしている人の記載によると、ラミーの種子は地表に蒔き、薄く上から土を被せる程度がいいということです。日本のカラムシも同じでしょう。野草には光発芽種子が多いので、カラムシもその仲間かもしれません。本コーナーで「光発芽種子」の用語を検索してください。一つずつ蒔くのが良いか、複数個蒔くのが良いのかはやってみないとわかりません。小さい種子ですから全体にパラパラと蒔けばいいのではないでしょうか。
カラムシの栽培についての英文の記載がネット上にありますので、参考のために下記にコピーしておきます。また、たくさんあるラミーの研究のうち一つを上げておきます。英文ですが頑張って読んでみてください。
(PDF) Ramie: The Strongest Bast Fibre of Nature - ResearchGate <https://www.researchgate.net/publication/262495545_Ramie_The_Strongest_Bast_Fibre_of_Nature>
Propagation
Seed - sow spring in a warm greenhouse and only just cover the seed. When they are large enough to handle, prick the seedlings out into individual pots and grow them on in the greenhouse for at least their first winter. Plant them out into their permanent positions in late spring or early summer, after the last expected frosts. Division in spring. Very easy, larger divisions can be planted straight into their permanent positions whilst smaller clumps are best potted up and kept in a cold frame until they are growing away well. Layering. Basal cuttings in late spring. Harvest the shoots when they are about 10 - 15cm long with plenty of underground stem. Pot them up into individual pots and keep them in light shade in a cold frame or greenhouse until they are rooting well. Grow them on for their first winter in the cold frame and then plant them out in the summer.
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-11-20