質問者:
一般
ひろみ
登録番号4278
登録日:2018-11-14
工作用に虫防止のためどんぐりを1週間冷凍庫に入れました。みんなのひろば
冷凍したどんぐりは発芽しますか?
発芽はしないでしょうか?
ひろみ様
みんなのひろばの植物Q&Aを利用下さりありがとうございます。
種子は温度が低いほど長く発芽力が維持され、含水量が低いものではー30℃~-50℃で全く発芽力を失われないものが多くみられます。オオムギ、コムギ、イネなどの乾燥した種子ではー250℃、-200℃、液体空気中という極端な低温でも発芽力は早急には失われないことが知られています。また、乾燥条件下、ー10℃で長期間貯蔵したレタス(13年間)やゴマ(26年間)が発芽力を維持し、品種によっては100%近い発芽率を示したことなども報告されています。乾燥条件で発芽力が良く保持される種子をオーソドックス (orthodox) 種子と言いますが、オーソドックス種子は上記のように乾燥,凍結条件で保存できます。一方、発芽力が湿潤下でよく保持され、乾燥によって急激に発芽能力を失う種子もあり, レカルシトラント (recalcitrant) 種子と言います。どんぐり(クヌギやカシ類など、ブナ科のコナラ属(Quercus属)の果実の総称)はレカルシトラント種子が入った堅果です。
樹木の種子では、スギ、ヒノキ、アカマツ、クロマツなどはオーソドックス種子で、乾燥状態で、ー18℃の冷凍庫で発芽力を維持し保存できます。しかし、どんぐりが発芽能力を保つためには湿潤条件を保つ必要がありますが、湿潤条件下で凍結する条件をつくるのは難しいと思います。どのような条件で冷凍庫に入れられたかわかりませんが、恐らく発芽しないと推察しました。
どんぐりの凍結保存の記載を探してみましたが見つかりませんでした。どんぐりの保存法としては、種子と土壌または泥炭を交互に層積し、地下に埋蔵しして低温、保湿下で保存する層積埋蔵法や乾燥しないように湿った砂や密閉容器を用いて冷蔵庫(2℃程度)で保存する方法が用いられています。凍結保存法が用いられていないのは、冷凍保存では発芽力の保持が難しいためだろうと思われます。冷凍庫に入れたどんぐりが発芽しないと考える根拠のひとつです。
みんなのひろばの植物Q&Aを利用下さりありがとうございます。
種子は温度が低いほど長く発芽力が維持され、含水量が低いものではー30℃~-50℃で全く発芽力を失われないものが多くみられます。オオムギ、コムギ、イネなどの乾燥した種子ではー250℃、-200℃、液体空気中という極端な低温でも発芽力は早急には失われないことが知られています。また、乾燥条件下、ー10℃で長期間貯蔵したレタス(13年間)やゴマ(26年間)が発芽力を維持し、品種によっては100%近い発芽率を示したことなども報告されています。乾燥条件で発芽力が良く保持される種子をオーソドックス (orthodox) 種子と言いますが、オーソドックス種子は上記のように乾燥,凍結条件で保存できます。一方、発芽力が湿潤下でよく保持され、乾燥によって急激に発芽能力を失う種子もあり, レカルシトラント (recalcitrant) 種子と言います。どんぐり(クヌギやカシ類など、ブナ科のコナラ属(Quercus属)の果実の総称)はレカルシトラント種子が入った堅果です。
樹木の種子では、スギ、ヒノキ、アカマツ、クロマツなどはオーソドックス種子で、乾燥状態で、ー18℃の冷凍庫で発芽力を維持し保存できます。しかし、どんぐりが発芽能力を保つためには湿潤条件を保つ必要がありますが、湿潤条件下で凍結する条件をつくるのは難しいと思います。どのような条件で冷凍庫に入れられたかわかりませんが、恐らく発芽しないと推察しました。
どんぐりの凍結保存の記載を探してみましたが見つかりませんでした。どんぐりの保存法としては、種子と土壌または泥炭を交互に層積し、地下に埋蔵しして低温、保湿下で保存する層積埋蔵法や乾燥しないように湿った砂や密閉容器を用いて冷蔵庫(2℃程度)で保存する方法が用いられています。凍結保存法が用いられていないのは、冷凍保存では発芽力の保持が難しいためだろうと思われます。冷凍庫に入れたどんぐりが発芽しないと考える根拠のひとつです。
庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-11-26