植物Q&A

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種子の養分生成について

質問者:   高校生   Naho
登録番号4356   登録日:2019-02-21
学校で種子の発芽には、種子が持つ養分を使うと習いましたが、成長するにつれ土からも養分を摂取するようになると思います。いつの段階から土から養分を摂取するようになるのですか??
Nahoさん

みんなのひろば「植物Q&A」へようこそ。質問を歓迎します。
植物の生活には多くの元素が必要です。C.H.Oに加えて、多量要素といわれるN,P,K,Ca,Mg.Sの他に、微量要素としてのFe,Mn.Caなども必要で、合計16-17種類の元素が必要だとされています。植物の種子は、適当な環境下で、水があると根から水を吸収して発根します。ここまでの過程では、外界から水を吸収し、細胞呼吸のために空気中のO2を必要としますが、それ以外は親植物から引き継ぎ、種子中に蓄えられていた糖質、タンパク質、脂質や各種の要素(低分子有機及び無機化合物)などでまかなうことができます。発芽して葉が展開し、光合成ができるようになると、気孔から取り入れたCO2と根から吸収した水を原料として光合成によって有機物を合成して成長が始まります。細胞が機能を発揮するには、最初にあげたすべての元素が必要ですが、多くの場合、種子に蓄えられていた物質だけでは不十分です。根は、土壌中にある必要元素(多くは無機イオン)を根の細胞膜を通して、細胞内に取り込みます。根の細胞膜には、それぞれのイオン等を特異的に取り込む輸送体(トランスポーター)があり、その活性は細胞内のイオン等の欠乏により上昇します。たとえば、細胞内のリンが欠乏すると、細胞膜にあるリン酸輸送体の活性が上昇します。質問の”いつから吸収をはじめるか”については、全体的に、種子が持っていた栄養塩類が不足したことを植物が感知し、根の細胞の輸送体活性が上昇し、このとき、根を取り巻く土壌中に栄養塩類があれば吸収が起こることになります。その時期は、栄養素の種類や植物の生育段階により異なるでしょう。
なお、水耕栽培といって、土をまったく使わずに、栄養塩類を含む水溶液を通気しながら根に循環させることにより、植物を生育させて収穫物を得ることができます。この方法で生産されたトマトやリーフレタスなどは、既に市場に出ています。

また、植物Q&Aには関連する項目の解説が沢山ありますが、興味があれば、次の用語で検索して、該当番号(#で表示)を見ると面白いと思います:[栄養素]#登録番号3157, 0043、[水耕栽培](多数)。


櫻井 英博(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-02-28
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