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冬芽の役割

質問者:   大学生   タンダ
登録番号4379   登録日:2019-04-01
先日大学からの帰り道に桜の花を見かけたのですが、ふと花成ホルモンは葉で合成され茎を通って運ばれて花が形成されることを思い出しました。桜の場合葉が展開する前に花が咲きます。この場合桜の開花を決定している部位は冬芽なのでしょうか。冬芽の構造、役割について詳しく教えていただきたいです。 よろしくお願いいたします。
タンダさん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
「冬芽」の構造は樹種や型によって少しずつ異なります。一般には、前年の葉の付け根に出来た腋芽が冬越しの支度(これが役割)をした姿で、芽鱗と呼ばれる頑丈な変形した葉で包まれた鱗芽と呼ばれています。春になって葉をだすもの(葉芽)、花になるもの(花芽)、花と葉になるもの(混芽)と型があります。ここではソメイヨシノに限ってお答えします。ソメイヨシノの冬芽(鱗芽)は将来、花だけを付ける枝となるもの、葉だけを付ける枝となるものがあり、花だけを付ける枝の成長が、葉だけを付ける枝の成長よりも時期的に少し早いので、先ず花が先行して咲くことになります。花芽鱗芽の作りは、花芽だけを形成するふつうの枝を想像して下さい。枝の基部の方には芽鱗となる葉、その上には花芽がついた枝が極端にちぢまったものです。ですから複数の花芽が芽鱗に包まれて小さい筍状になっています。ソメイヨシノの花を注意深く見て頂くと、1つの節から長い花柄をもった花が2,3個ついており、その基部には芽鱗が残っていますね。葉芽の方は花芽を形成しない枝がちぢまったものと思って下さい。花はもともと茎葉の変形と考えられ、その変換(花芽形成)の調整役となるものがフロリゲンです。開花とは、すでに出来あがって休眠していた花芽が成長をはじた結果で、その調整役はアブシシン酸や温度だと言われています。花芽形成と開花とは区別しなければ混乱します。「桜の開花を決定している部位は冬芽なのでしょうか」との問いを「花芽を決定している部位は」と解釈すれば答えは自ずと分かりますね。


今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-04-02
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