植物Q&A

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溶媒について

質問者:   一般   たらこさん
登録番号4398   登録日:2019-04-17
現在植物から成分を抽出しその成分が細胞に対してどのような効果をもたらすのかという検討を行っています。

植物の抽出方法としましては以下に示す通りで行いました。
①ジクロロメタンを用いて脱脂
②70%含水アセトンで抽出
③②の抽出残渣を水で抽出
④これを含水アセトン抽出残渣水抽出物とした
⑤サンプル重量を測定するため一度粉末化した。

細胞に添加することを目的としているため上に示す方法で作成した粉末を培地に溶解しなければならないのですが、水にもDMSOにも溶解しません。
細胞に害の与えない溶媒で溶解したいのですが、何か案はございますでしょうか?

以前に同じような質問がございましたら申し訳ございません。ご存知のことございましたら何卒よろしくお願いいたします。

たらこさん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
非常に漠然としたご質問ですので、適格なお答えをすることが困難です。
「植物からの成分」は多種多様で、植物の種、成長段階、組織や器官の違いなどによって成分組成は大きく違います。また、抽出条件によっても得られる成分は異なります。アセトン抽出、水抽出は常温なのか、加熱したのか、攪拌したのか、静置したのか、抽出時間は、材料と溶媒との割合は、といったことが明らかでありません。
①で脱脂、②で70%アセトン抽出をしているので、脂質類、非常に多くの低分子物質群が除かれています。したがって、②の残渣には、細胞壁成分(セルロース、ヘミセルロース類)、タンパク質、核酸、その他含水アセトンに溶解しにくい低分子成分や中程度以上の重合度をもった多糖成分、その他諸々の成分が含まれているはずです。④の水抽出の条件が判りませんが、一般にその過程で酸化されやすい成分(フェノール類やある種のアミノ酸など)の酸化と重合、成分同士の化学反応が必ず起きているはずです。さらに⑤の粉末化の条件が判りません。凍結乾燥か、噴霧乾燥か、減圧濃縮シロップ状残渣を自然乾燥して砕いたのか、など方法によって状況はかなり違いますが、一旦抽出された成分の酸化、重合物や変質物も最終乾燥粉末には含まれています。それらはほとんどの溶剤に不溶となっています。このような混合物を完全な溶液状態にすることはほとんど不可能です。DMSOでも溶解しないのは頷けます。
「細胞に対してどのような効果」と目標をおいていますが、細胞のどのような過程に対する効果を期待しているのかも明らかでありません。細胞(どの細胞か?)の生死か、分裂の抑制か増進か、成長の抑制か促進か、などなどいろんな効果があります。
一種の生物検定に当たりますので、その検定方法と条件をあらかじめ決めておくことも必要です。検定方法、条件を決めたら、例えば脱脂後、含水エタノール、含水アセトンなどに可溶な成分だけを調査の対象とする。可溶性画分の濃縮などの過程で不要物が生成したらそれらは除外する、などの一定の方針を定めて、一歩ずつ進めていくことをお勧めします。


今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-04-23
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