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ソラマメへの根粒菌着生

質問者:   その他   fieldman
登録番号4402   登録日:2019-04-22
栽培されているソラマメを見ると、根粒菌が着生している株と着生していない株があります。どうして、株による根粒菌の着生有無の違いがでるのでしょうか。
fieldmanさん

みんなのひろば「植物Q&A」へようこそ。質問を歓迎します。
マメ科植物は、窒素栄養が欠乏する環境では、根粒菌と共生することにより窒素栄養を補うことができ、共生菌を持たない植物との生存競争において優位に立ちます。マメ科植物は根粒菌にリンゴ酸など(そのもとは糖質に由来)の炭素源を与え、根粒菌はそれをエネルギー源としてN2をアンモニアに固定し、固定したアンモニアは窒素化合物の素材となり、根粒菌自身ばかりでなく、宿主植物によっても使われます。土壌中に硝酸イオン、亜硝酸イオンなどの窒素栄養が十分にあるところでは、マメ科植物にとって、根粒ができることには、窒素栄養を受け取る利点はなく、炭素源の損失だけが起こります。マメ科植物にとっては、根粒菌の数を環境中から得られる窒素栄養のレベルに応じて制御することが重要です。最近、マメ科植物のミヤコグサを用いた実験から、根の硝酸濃度が高いと、根はそれに応答して根粒菌の共生を抑制するペプチド(タンパク質状の低分子)を合成し、それが植物の茎頂部に送られ、茎頂部で作られる別の物質が逆に根に送られて根粒の形成を抑制するという機構が提案されています。質問者の観察は、同じ種のソラマメでも、土壌中の窒素栄養には局所的濃度に差があると、窒素栄養の充足の程度に応じて根粒のつき方が変わったのだと考えられます。
なお、それぞれの植物は、土壌中の多種類の細菌の内から、植物の種ごとに適合した窒素固定細菌を優先的に共生させる仕組みも備えています。
(植物Q&Aで、「根粒菌」を検索語として調べると多くの情報が得られるでしょう)


櫻井 英博(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-05-07
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