一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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花弁が水に浸かると透明になるのはなぜですか?

質問者:   教員   マサ
登録番号4427   登録日:2019-05-19
今朝の新聞で、サンカヨウの美しい透明な花を見ました。学校で白いスイートピーの花弁を水に浸け、陰圧にするとやはり透明になりました。
これらの原因は同じでしょうか?
マサ様

植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。
すべての可視光を反射した物体は白色を呈します。例えばすりガラスは透明なガラスの片面に細かい傷をつけることで、光を乱反射させて白濁したすりガラスになります。細かい傷がついた面の一部を水で濡らし覆うことで乱反射を防ぐとその部分は透明になって、見通せることができるようになります。透明なテープを張っても同様に乱反射を防ぎ、その部分が透明になり見通せるということはよく知られています。

白色の花弁の場合も、花弁の表面や内部の構造によって光を乱反射することで白色を呈していると考えられますが、水中で減圧することによって、細胞間隙などにあった気体と水を置換することにより、ちょうどすりガラスの水の場合のように乱反射をおこす構造を覆うことで乱反射を防ぎ透明化がおきたと考えられます。

なお、サンカヨウの美しい透明な花と原因は同じかというご質問ですが、私はいつ、どの新聞に掲載されたものか存じませんので、その点はお答えできません。


庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-06-06
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