一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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オオカナダモ 基部・先端部の細胞の長径の大きさについて 

質問者:   高校生   あ
登録番号4432   登録日:2019-05-26
こんにちは。
私は生物の実験でオオカナダモの細胞の大きさについて調べました。
私の立てた仮説は、根の成長と同じように、オオカナダモの葉の先端部は細胞分裂が活発なため短径も長径も小さい細胞が多く、基部は細胞分裂して成長し、先端部に比べて大きい細胞が多くあるのではないだろうかと考えました。
しかし実験の結果、先端部にいくに連れて短径は小さくなっているのに、長径は大きくなっていました。
なぜ基部に比べて先端部のほうが細胞の長径が大きいのでしょうか?それとも単純に計測ミスなのでしょうか?
あ さん、

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。
オオカナダモの葉の細胞サイズの観察は、どのようになさいましたか。オオカナダモの葉は中肋以外は基本的に表裏の二層の細胞層(表皮)から出来ている簡単な構造ですので、よく観察実験に使われますね。あなたが観察されたのはどちら側の細胞ですか。オオカナダモの葉の表側(向軸側:コウジク)と裏側(背軸側:ハイジク)とでは細胞のサイズが異なっています。表側は裏側に比べて大きく、これは柵状組織に相当し、裏側は海綿状組織に相当します。この関係については登録番号2233を読んでください。オオカナダモの細胞には幾つかの種類がありますが、あなたはどの細胞を対象に測定されたのですか。また、測定は一枚の葉だけですか。生物についての何か量的な測定をして一般化する場合は、個体差を考慮してできるだけ測定個体の数を多くして、できたら統計的に比較する必要があります。もし仮に、あなたが葉身の背軸面だけの葉緑体を含む細胞だけを観察し、どの個体でも同じ結果であるということならば、残念ながら理由はわかりません。


勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-06-05
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