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紫色に変化した植物

質問者:   会社員   みづき
登録番号4442   登録日:2019-06-08
いつも通る道端に生えている雑草(ススキ、もしくは類似のイネ科植物だと思います)の中に、葉の形等は全く同じで、株全体が紫色のものが混じって生えてきました。
全く手入れなどされていない草むらで、誰かが新しく植えたとは考えられません。

突然変異で色が変わることがあり得るのでしょうか?
また、紫色に変化する事で、植物に利点はあるのでしょうか。
みづき様

植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。
植物の株全体が紫色を呈したということですが、イネ科植物らしいということですので恐らくアントシアニンが蓄積したのだろうと思います。以後、紫色がアントシアニンによるものとして回答いたします。

アントシアニンの蓄積は、環境要因による場合と遺伝的な性質による場合があります。環境要因の場合ですが、無機栄養の欠乏、過剰、アンバランスや高温、低温などの温度ストレス、病害などで蓄積がおこります。光合成、とくにCO2固定反応の低下要因ではアントシアニンの合成、誘導が促進されます(植物Q&A登録番号1903)。ご質問の場合は同じ場所に生えている、同じ種と思われる他の株は紫色を呈していないようですので、環境要因によるとは考えにくいように思います。可能性があるとすれば、病害による場合です。
遺伝的性質である場合ですが、品種によって葉のアントシアニン含量に差異がある例(登録番号4134)は遺伝的に含量が制御されていることを示しています。イネ科のイネの品種でも紫イネは葉にアントシアニンが蓄積する性質をもっています(登録番号3417)。ご質問の場合でもアントシアニンが葉に蓄積する突然変異体である可能性は考えられますが、紫色になる性質が遺伝するかどうか調べる必要があります。どちらにしても、観察された現象だけでは、結論できません。

アントシアニンが蓄積して紫色を呈する植物にとっての利点ですが、光合成を行うのに必要な光より、はるかに過剰な光による障害を防ぐための光フィルターの役割を果たしているというのが、広く一般的に認められているはたらきです。その他にも抗酸化剤としてのはたらき、色が他の生物に対して一種の警戒色となっているという考え、落葉後の作用などいろいろな説があります(登録番号3770)。

今までにもアントシアニンに関する非常に多くの質問が寄せられています。植物の葉のアントシアニンについては、上に引用した登録番号の他にも、登録番号2053, 2096, 3283, 3312, 3516, 3717などに詳しい解説がありますのでご覧になって下さい。



庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-06-12
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