一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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多肉植物の葉から発根する理由

質問者:   会社員   千里わくわくラボ
登録番号4444   登録日:2019-06-12
多肉植物の葉をカットして、置いておくと、葉から根っこが出てくるものがあります。
とても不思議でたまりません。その理由を教えてください。
千里わくわくラボ様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。
植物の根が根以外の器官(茎や葉)などから形成されることはごく一般的なことです。このような根を「不定根」と呼んでいます。茎からは特に出来やすく、挿し木によって生じる根は不定根です(登録番号4384参照)。葉でも多肉植物だけでなく、セントポーリアのように水分を多く含んだは葉は出来やすいようです(登録番号3461参照)。いろいろな植物の葉を切り取って水分を含んだ培養土に挿しておくと(あるいは植物の種類によっては水に挿しておくと)、切り口から不定根ができてきてくる可能性があります。もちろん出来やすい植物、できにくい植物の違いはありますが、ご自分で試してみてはいかがですか。不定根の形成にはオーキシンという植物ホルモンが関係していることが知られており、一般にオーキシンを与えてやると、不定根の形成が促進されます。ちなみに芽でも同じようなことがあり、茎の先端(茎頂)や枝葉の付け根(腋)以外のところで形成される芽を不定芽と呼んでいます。コモチベンケイソウなど葉の縁に沢山不定芽ができます。


勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-06-16
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