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接ぎ木の台木の影響について

質問者:   その他   浜田
登録番号4464   登録日:2019-07-07
接ぎ木をすると、穂木部は遺伝子的に同じものになりますが、台木の影響を受けます。
私の経験上、
キウィはその影響が顕著で、実が小さくなります
キウィの接ぎ木苗をまことしやかに園芸店などで売っていますが、私は上記理由で買いません。
キウィは、挿し木苗に限ると思っています。
枇杷や柿もその傾向があるように思います。

考えるのは、接ぎ木は台木の影響を受けるけれど、接ぎ木することによつて台木の本来の性質は軽減されているということです。
例えば、小粒で沢山実のなる枇杷の台木に、茂木の穂木を接ぎ木した場合、小粒で沢山実のなる傾向が多少残る茂木の実がなります。

そこで次に考えるのは、(これより先は私の経験にはありませんが)同じ穂木を2回接ぎ木することでする
(結果的に、最上部と同じ品種が中間台木となります。)
これを行うと、接ぎ木の穂木を挿し木したとほぼ同じ実がなるのを期待できるのではないかということです。
キウィの接ぎ木は、目を瞑って接いでも活着するぐらい易しく、挿し木の活着率は(私がやると)3%程度しかありません。
柿や枇杷は、実生で台木を作るのですが、同じ性質の台木を作るのは困難です。
同じ穂木を2回接ぎ木することによって、これらのリスクを軽減できると思います。

私が知りたいのは、同じ穂木を2回接ぎ木すると結果はどのようになるかということです。
浜田 様

植物Q&A のコーナーを利用頂きありがとうございます。回答は、接木の研究をされておられる野田口先生にお願い致しました。先生は、質問の内容を正確に汲み取れているかどうか危惧されています。お聞きになりたいことと異なる場合は、再度本コーナーに質問をお寄せ下さい。

【 野田口先生の回答】
浜田様、
みんなの広場植物Q&A のコーナーに、ご質問を頂きありがとうございます。
もしかすると頂いたご質問に正確にお答えできていないかもしれませんが、以下に回答いたします。

穂木の形質が、接ぎ木する相手となる台木によって影響を受けてしまう場合、穂木を2回接ぎ木して「穂木/穂木/台木」と3段の接ぎ木をすると、その影響を小さくすることができるのではないかというご質問であったかと思います。
穂木の形質が変わるのは、台木から何らかの代謝物(例えば植物ホルモン)や他の分子が運ばれることによって引き起こされることが予想されます。接ぎ木した植物は穂木と台木の間で互いの維管束をつなぎ、水や栄養にくわえて代謝物など多様な分子が共有されますので、そのうちの一部の成分や分子が穂木の形質に影響していると考えられるわけです。
その場合、仮に穂木を2回接ぎ木しても、2箇所の接ぎ木部位ではいずれも維管束はつながりますので、穂木の形質を変える成分は台木から2つ目の穂木まで最終的に送られる可能性があります。つまり、2回接ぎ木した場合であっても、穂木への影響は出ることがあると考えられます。
一方で、中間に差し込まれる中央の穂木のサイズが大きければ、台木の影響は先端の穂木には届きにくくなるといった効果は得られるかもしれません。それも「その形質に影響する分子」が何であるかによって植物体内における運ばれやすさが異なりますので、中間に差し込まれる中央の穂木を大きくすることによる台木の影響の低減程度も分子によって異なることが考えられます。

もう一点は、2回接ぎ木する効果として、接ぎ木そのものが2箇所で行われますので、接ぎ木する植物の組み合わせによって組織のつながりが少し悪くなる場合は、その影響は1箇所よりも2箇所の方が大きくなります。したがって、場合によっては少し成長が悪くなるなどの側面も出てくるかもしれません。

接ぎ木は、植物の組み合わせや接ぎ木する枝の場所によっても、その接ぎ木苗を育てる場所や気候によっても、果実の形成への影響が異なりますので、2回接ぎ木する効果は、植物の種類やその植物の大きさなどによって異なると考えていただくと良いかと思います。

                        
野田口 理孝(名古屋大学 生物機能開発利用センター)
JSPPサイエンスアドバイザー
庄野 邦彦
回答日:2019-07-10
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