一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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アカツメクサとシロツメクサの蜜の味について

質問者:   中学生   まどか
登録番号4500   登録日:2019-08-07
こんにちは。
私は自由研究で、アカツメクサとシロツメクサの違いについて調べています。

そこで疑問に思ったのですが、どうしてアカツメクサの蜜は甘くて、シロツメクサはほとんど味がしないのですか?

私は、アカツメクサとシロツメクサで作る蜜の量に違いがあるからではないかと思いますが、どうしてもわかりません。

回答よろしくお願いします。
まどか さん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
自由研究でアカツメクサとシロツメクサの違いを調べることは面白そうですね.。葉や茎の形や模様、花の形や付き方などの違いを含めて調べたら、たくさんの違いがあることが分かるでしょう。
どちらのツメクサも丸い鞠のような花が咲きますが、これはたくさんの花が鞠状に集まった集合花序です。1つ花は細長いですがマメ科の花に特徴的な蝶型で5枚の花弁から出来ています。蜜は花弁の基部に分泌されています。花の大きさを比べるとアカツメクサの方がシロツメクサよりも1.5倍ほど大きいので、分泌される蜜の量も多くなっていると考えられます。まどか さんがどのような方法で蜜の甘さを調べたのか分かりませんが、1つの花を引き抜いて基部を舐めたとすれば、シロツメクサの蜜の量が少なすぎたので甘さを感じなかったのではないでしょうか。それぞれの花を同じ数だけたくさんまとめて甘さを調べられたらどうでしょうか?
ツメクサの蜜の成分を調べた結果は見つけられませんでしたが、他の植物の花蜜を調べた結果では、花の蜜の甘さの元はショ糖で、濃度は10~15%となっています。両方のツメクサについてもこれに近い濃度と考えられます。 甘さを感じなかったもう1つの可能性は、花の蜜量は花の成熟度(開花度)と関係ありますが、それが揃っていなかったことです。、調べるときに花の成熟度(咲き具合、開花度)を同じ程度に揃える必要があります。アカツメクサは満開状態、シロツメクサはまだ開花度が少なかった、といったことがあっのたかも知れません。これらの事柄を考慮しながら、何度も繰り返し調べてみてください。
このコーナーの登録番号4189は、関連するものとして参考になると思います。



今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-08-09