質問者:
会社員
メロンスイカ
登録番号4507
登録日:2019-08-13
2019年8月12日に露地栽培の大玉スイカを収穫したところ、マスクメロンの網のような筋の盛り上がりが表面に多く出来ていました。花落ち部分から発生し蔓のほうに成長しているようです。同じ場所でマスクメロンも栽培しているので交配したのではと思いましたが、ネットの情報によるとスイカとメロンは交配しないという意見ばかりでした。本当に交配しないのかどうかご教示のほどお願いします。
みんなのひろば
スイカにマスクメロンの網ができた
メロンスイカさん
みんなのひろば「植物 Q&A」へようこそ。質問を歓迎します。
回答は、スイカ・メロンの育種を専門にしている萩原農場生産研究所(株) 社長 萩原俊嗣氏にお願いしました。
【萩原氏のご回答】
写真拝見しました。ご質問者が、「まるでメロンのネット!」と思われるのも不思議ではありませんね。
スイカとメロンが交雑することは経験上考えられません。どちらも同じウリ科ですが、属が違います。一般に属間の交雑はほとんど起こりませんし、万一交雑しても、このような遠縁雑種の花は高度に不稔で、写真のように立派な果実がなることはまず考えられません。
ご質問者が撮られた写真のように、スイカにマスクメロンのようなひび割れとネットらしきものが現れた正確な原因は正直分かりかねます。しかし、スイカの果底部のひび割れは収穫の目安とされる現象ですので、それ自体は珍しいことではありませんが、送られた写真のように、スイカの果実の下の方からひび割れ(ネット)がこのように広範囲に広がっているのは見たことがありません。ただ以前、小玉スイカでは、果皮表面に今回の現象よりももっと密にメロンのネット様のものが発生した事例がありましたが、この時も一時期に限られて発生した現象でした。
同じウリ科のマスクメロンでは、きれいなネットの形成は次のような経過をたどります:
交配/着果→幼果の肥大→果皮の硬化→果実の緩慢な肥大→果底部にリング発生→縦ネット発生→全体的なひび割れ(横ネット発生)→ネット盛り→ネット完成→収穫 という過程がありますが、夫々の段階で土壌水分/温度/湿度/樹勢を調整することによって、均一できれいなネットに仕上がります。
これらの過程は、環境がコントロールできるハウス栽培では可能ですが、露地では難しい条件です。
スイカの果実がまだ若いうちに、果皮周りの温度や湿度が急激に変化した時には、収穫時に果皮表面に痘痕のようなぶつぶつが発生していることもありますので、マスクメロンから類推すると、今回の現象も、スイカの肥大過程において、上記の諸要因(環境条件)が大きく変化した中での現象ではないかと思われます。
ご質問者がどの地域にお住まいか分かりませんが、今年は6月下旬までは天候が良く(梅雨入りが遅かった)、その後は特に関東では曇雨天が過去にないくらいに続き、日照不足が顕著だったと思います。そして、収穫前には晴天続きの猛暑になりました。このような極端な天候による急激な温湿度変化があったことが生育途中のスイカ果実にも影響し、見たこともないような現象になったのではないかと推察いたしました。
みんなのひろば「植物 Q&A」へようこそ。質問を歓迎します。
回答は、スイカ・メロンの育種を専門にしている萩原農場生産研究所(株) 社長 萩原俊嗣氏にお願いしました。
【萩原氏のご回答】
写真拝見しました。ご質問者が、「まるでメロンのネット!」と思われるのも不思議ではありませんね。
スイカとメロンが交雑することは経験上考えられません。どちらも同じウリ科ですが、属が違います。一般に属間の交雑はほとんど起こりませんし、万一交雑しても、このような遠縁雑種の花は高度に不稔で、写真のように立派な果実がなることはまず考えられません。
ご質問者が撮られた写真のように、スイカにマスクメロンのようなひび割れとネットらしきものが現れた正確な原因は正直分かりかねます。しかし、スイカの果底部のひび割れは収穫の目安とされる現象ですので、それ自体は珍しいことではありませんが、送られた写真のように、スイカの果実の下の方からひび割れ(ネット)がこのように広範囲に広がっているのは見たことがありません。ただ以前、小玉スイカでは、果皮表面に今回の現象よりももっと密にメロンのネット様のものが発生した事例がありましたが、この時も一時期に限られて発生した現象でした。
同じウリ科のマスクメロンでは、きれいなネットの形成は次のような経過をたどります:
交配/着果→幼果の肥大→果皮の硬化→果実の緩慢な肥大→果底部にリング発生→縦ネット発生→全体的なひび割れ(横ネット発生)→ネット盛り→ネット完成→収穫 という過程がありますが、夫々の段階で土壌水分/温度/湿度/樹勢を調整することによって、均一できれいなネットに仕上がります。
これらの過程は、環境がコントロールできるハウス栽培では可能ですが、露地では難しい条件です。
スイカの果実がまだ若いうちに、果皮周りの温度や湿度が急激に変化した時には、収穫時に果皮表面に痘痕のようなぶつぶつが発生していることもありますので、マスクメロンから類推すると、今回の現象も、スイカの肥大過程において、上記の諸要因(環境条件)が大きく変化した中での現象ではないかと思われます。
ご質問者がどの地域にお住まいか分かりませんが、今年は6月下旬までは天候が良く(梅雨入りが遅かった)、その後は特に関東では曇雨天が過去にないくらいに続き、日照不足が顕著だったと思います。そして、収穫前には晴天続きの猛暑になりました。このような極端な天候による急激な温湿度変化があったことが生育途中のスイカ果実にも影響し、見たこともないような現象になったのではないかと推察いたしました。
萩原 俊嗣(萩原農場生産研究所(株))
JSPPサイエンスアドバイザー
櫻井 英博
回答日:2019-09-03
櫻井 英博
回答日:2019-09-03