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胴吹き・ひこばえについて

質問者:   会社員   sato
登録番号4508   登録日:2019-08-15
針葉樹など胴吹きやひこばえが全くない樹種があります。自然の中では有利なこともあるのかもしれませんが、庭木ではまめに管理しないと枯れこんでしまうので欠点のように感じます。胴吹きやひこばえが生えてくる樹種と生理の仕組みはどう違うのでしょうか。
sato 様

植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。

ひこばえを生じる樹種については、植物Q&Aの登録番号3844 に具体的に詳しく解説されておりますのでご覧になって下さい。そこでは大まかに言って、針葉樹と老木にひこばえが生じない、あるいは、生じにくいとまとめられています。

多くの広葉樹では、幹が伐られたり、折れたりすると胴吹きやひこばえと言われる萌芽更新がおこります。萌芽枝には定芽による場合と不定芽による場合がありますが、多くは休眠芽という定芽によります。定芽としては、枝と葉柄の間にある腋芽という芽があります。腋芽を持つということが葉の定義にもなっています。樹木には非常に多くの葉がありますので、その数だけ腋芽があることになります。好適な環境になってすべての腋芽が伸びだすと枝葉が過密になりそうですが、実際は伸びだすのは一部の腋芽であって、多くは休眠芽として残ります。例えば、レッドオークでは2/3は休眠芽として残ります。また、休眠芽はその後発育不全になり、わずかなものが生き残り、毎年少しずつ成長して、幹の表面や直下にとどまります。萌芽更新はこのような休眠芽が伸びだすことによることが多いと思われます。針葉樹の場合は、チリマツやセコイアのような例外はありますが、一般的に萌芽からの成長が難しいことが知られています。マツ属の樹木は短枝という短い枝に針葉の束をつけますが、短枝は0.25mmくらいで成長をやめ、新しい芽をつくるのをやめます。また、短枝は葉が枯れると脱落します。小さい針状の葉を多数つけるトウヒ属やモミ属の針葉樹ではすべての葉に腋芽があるわけではありません。いくつかの針葉樹、特にヒノキ科の樹木にははっきりした腋芽が認められません。ヒバやスギのように必要な時に初めて腋芽をつけるものもあります。                            
かなり乱暴な言い方かと思いますが、広葉樹は広く腋芽をつくり、一部を残し不要なものを捨てるのに対して、針葉樹は芽をつけないような方向性をとっていると言えるのではないかと思います。


庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-08-26
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