一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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メントール法について

質問者:   自営業   拓海
登録番号4510   登録日:2019-08-15
登録番号4509にて質問したのですが質問後に質問の矛盾点を見つけてしまったので訂正させてください。

メントール法をネットで検索した際

ある性質を取入れようとするときには,その特性をもつ植物は年をとっていることが必要で,その枝を接穂にする。変化させるほうの植物は若いほどよく,これを台木とする。接木したのちは,接穂のほうからは葉を除き,台木のほうにはできるだけ葉を残すようにする。メントールとは接穂のことで,ギリシア神話に由来し,忠実な賢い助言者という意味に使われてきた。

というものと、

台木に発育の進んだ植物(メントール――指導者の意味――という)を用い,これに若い接穂を接木するメントール法mentor methodが効果的といわれている。

と、真逆な意味が記載されているものを見つけました。
どちらが正しいのでしょうか?
また前者が正しかった場合は活着後に接穂は成長点を残して枯れさせないようにするのか、台木優勢にしていずれ枯れさせるようにするのかどちらでしょうか?

質問を二重でする形になってしまいすいません、回答の方よろしくお願いします。
拓海 さん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
接ぎ木において、メントール法とはいわゆる「接ぎ木雑種」が出来ることを期待する接ぎ木方法で、台木には成熟した植物体を用い、台木の好ましい(希望する)形質を接ぎ穂側に与えようとする方法です。台木から栄養分や形質を担う物質の供給を十分にするために葉などのソース器官を残し、接ぎ穂はシンク器官となるように先端の葉を残し他の成熟葉を除去する、とするものです。ロシアのイワン・ミチューリンが果樹の育種に用いたとされるものです。接ぎ穂からの新芽に台木の形質のいくつかをもった「雑種(接ぎ木雑種)」が出来るとする実験結果は現在でも報告されていますが、その解釈には多くの議論があるところです。
「前者が正しかった場合は活着後に接穂は成長点を残して枯れさせないようにするのか、台木優勢にしていずれ枯れさせるようにするのかどちらでしょうか?」接ぎ穂側への形質導入を期待する方法ですから、接ぎ穂を枯らせてしまっては意味がありません。



今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-08-20
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