一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

ゴーヤのつるの巻き方

質問者:   一般   matsumoto
登録番号4512   登録日:2019-08-15
娘が自由研究でゴーヤのつるの巻き始めについて調べています。なかなか詳しく書いてある本がないので、インターネットで調べてみたところ、
①風に吹かれると巻き始め、②何かに絡まって引っぱられるとバネのようにねじりが強くなる 
ということでした。これは合っていますか?どこに聞けばいいか分からず苦労しています。
よろしくお願いします。
matusmoto  様

このコーナーをご利用くださりありがとうございます。
自由研究と言えば、もう実験結果の考察に集中されている段階かと想像します。もし時間的に余裕があり、入手可能であれば、下記の書物を読んでみられることをおすすめします。古い本ですが、つる植物についての鋭い観察の結果が記載されているので参考になると思います。

ゴーヤ(ツルレイシ)の場合、典型的には、➀つるが自発的な運動をいている間に何か(支柱)に触れて巻きつきはじめ、②その後、つるの途中がらせん状に収縮することにより、植物体が支柱に引きよせられて固定されるように見えます(この場合、らせんには向きを逆にした巻き返しの構造が生ずる)。らせん状に収縮した構造が引っ張りに強くなっていることは、比較的簡単に実験で確かめることができるかと思います。しかし、支柱に巻きついた結果として引っぱられることが感じとられ、つるの途中でらせんの巻きこみが起こるようになる仕組みを解き明かすことが課題になりますね。巻きつきが始まってから生ずるつるの構造の変化が糸口を与えてくれるかも知れません。今後、短期間で実験をすることには限界があると思いますが、育った植物にはいろいろな巻きの段階のつるがあると思いますので、それらを比較して観察されることをおすすめします。植物体を支えていないつるがらせんを巻いている場合があるかも知れませんが、らせんの向きや、そのつるがたどったであろう道すじについて考えてみてください。

(参考書)
ダ-ウイン原著(1886):日本語訳出版(初版-1991)-渡辺 仁(訳)-森北出版-「よじのぼり植物-その運動と習性(Charles Darwin: On the movements and habits of climbing plants)」



佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-08-21