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コスモスの向日性

質問者:   会社員   みんみん
登録番号4533   登録日:2019-09-11
ひまわりだけでなく、コスモスも向日性をもっていると聞きました。
コスモスにはどんな特徴・性質があるのですか?詳しく教えてください。
みんみん様

植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。回答が遅くなり申し訳ありません。今までコスモスの花の動きの観察を続けてきましたが、まだ最終結論には達しておりません。しかし、コスモスの花も終わりに近づいてきましたので、これまでに得られた観察結果をもって回答とさせて頂きます。

[ 回答 ]
多くの植物で、葉の表面が太陽光に対して常に垂直になるように、太陽の東から西への移動を追って茎葉や葉が角度を変えて追跡していくことが知られています。ワタ、ダイズ、インゲン、ヒマワリなどたくさんの例が知られていますが、中ではヒマワリが実験材料としてよく用いられています。ヒマワリの場合、太陽を追跡するのは若い茎葉や蕾を付けた茎の先端で、花が開くと追跡する運動はとまります。また、太陽を追跡した結果、夕方には西を向いていた茎葉の先端は、夜の間に東に向きを変えます。この現象には日周リズムが関係しています。太陽追尾運動は太陽光の中の青色光を感じ、太陽側と影側の伸長生長の差によっておきることもわかっています。ルピナス、インゲンなどのマメ科植物の葉の追尾運動の場合は、葉身と葉柄の間にある葉枕という構造内の運動細胞の浸透圧の変化によります。              
さてご質問のコスモスの場合ですが、論文検索サイトで調べた限りではコスモスの太陽追尾運動の論文をみつけられませんでした。ほとんどがヒマワリのものでした。ネットでも調べたところ、コスモスの太陽追尾運動についての記載はありませんでしたが、コスモスの花が揃って西を向いている写真がありました。詳しい説明がありませんので、どのような状況の植物かわかりませんが、花が太陽を追尾した可能性も考えられます。そこで花や蕾が付いているコスモスの苗を買ってきてベランダの中央(終日日陰にならない)に置き、すでに開いていた花の動きを観察しました。花は太陽の移動と関係なく、2日にわたって同じ位置を保っていましたので、当初ヒマワリと同じく、コスモスの開いた花も太陽を追跡するような運動はしないと思いましたが、観察を続けると中には動くものがあるのに気がつきました。そこで、花序軸が地面に対して垂直な花について、さらに観察を続けました。その結果、以下のようなことがわかりました。 

〇蕾はヒマワリと異なり動かない。                      
〇蕾がひらきはじめてから1~2日で舌状花の長さが最長(観察材料では2.2mm)に達するが,その頃から動きがみられるようになる。
〇朝は東方(ベランダの建物と反対側とも言える)に傾いているが、10時ごろ太陽が真上近くなると、花の表面が地面に水平になる。
〇太陽が西方に沈んでも、その方向への傾きは顕著ではない。
〇朝には再び、東方に傾いている。
〇これらの動きは、開花後数日続くが、その後見られなくなる。
〇西方への傾きがみられなかったことから、この動きが太陽追尾運動であるとは今のところ、結論できない。

なお、ヒマワリやコスモスの花と一般によんでいるものは、外側に舌状花、内側に管状花からなる頭状花序とよばれる多数の花の集まりです。ここでは、花序の代わりに一般的に使われている 花 を便宜上用いました。蕾と言っているものもまだ展開していない花序を指しています。また、向日性という用語は太陽の方向に向かって屈曲する、すなはち、光源の方向に屈曲する正の光屈性(屈光性)と同義の用語です。質問内容から光屈性反応が連続しておきる結果とも言える太陽を追尾する現象についての質問だろうと推察して回答を作りました。また、コスモスの茎葉については、苗が得られず、種子から育てると時間がかかることと、上記のように論文が見当たりませんでしたので、回答に含まれておりません。




庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-11-25
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