一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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白いブツブツの正体

質問者:   小学生   たかはしみさと
登録番号4548   登録日:2019-10-04
植物の先生、こんにちは。
9月に家族で沖縄に旅行へ行き、空港で見つけた袋入りの「ハイビスカスの苗木」(4本入り)をお土産に買いました。

友達3人に1本ずつプレゼントして、みんなで同じ日に説明書きの育て方のとおりに切り口部のロウを削り、苗木の1/3位まで水に浸けました。

すると2日目くらいから水に浸けた部分に白いブツブツが出始めました。
ブツブツは日に日に増えています。
2~3日に1度は水を換えて、1週間しない内に小さな葉っぱも出てきました。

そして今日で2週間が経ちますが、根っこは見当たらず、水に浸けた部分の幹に気持ち悪い白いブツブツがびっしりついています。
最初の頃は水を換えるときに手で触るとブツブツはポロっと簡単に取れたのに、今は幹に白い斑点みたいについていて表面のボソボソした部分は取れても完全にキレイには取れません。

3人の友達にあげた苗木を見せてもらったら、小さな葉っぱと水に浸けた部分の白いブツブツは全員出ています。その内の2人の苗木は、白いブツブツとは別に小さな根っこらしきものが出ていました。

お母さんにインターネットで調べてもらったのですが「白いブツブツはカルスという名前の仮の根っこで、かさぶたみたいなものだから無理に取ってはいけない」といいます。

そこで、カルスいう名前で検索してみましたが、それはバラなどの茎の切り口の部分に出来る白い塊のことで、水に浸けたハイビスカスの幹の部分の白いブツブツとは見た目も違います。

白いブツブツの正体を教えて下さい。
宜しくお願いします。
たかはしみさと様

植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。
沖縄旅行で買ってきたハイビスカスの枝を、説明書き通り に1/3 くらい水に漬けてみたら、枝の水に浸かった部分に白いぶつぶつが生じた。この白いぼつぼつは何かということですが、恐らく不定根の原基だろうと思います。根は、ふつうは地下に伸びていて、地上部分の茎、枝、葉などには付いていません。しかし、条件によっては、普通付いていない部分に根が生じることがあります。その根を不定根といいます。不定根の原基というのは不定根ができるもとになる構造ということです。不定根の原基は非常に活発に細胞分裂を行う、多数の小さな細胞から作られていますので、硬い構造(白いつぶつぶ)になります。少し時間がかかりますが、そのうち伸びだして根(不定根)になると思います。観察を続けてみて下さい。お友達のハイビスカスでは、小さな根が見られたとのことですが、それが白いつぶつぶから伸びだしたものか、観察してみてください。
小さな葉も出てきたということですが、それはわき芽(腋芽といいます)の原基が伸びだしたのだろうと思います。植物の葉と茎(枝)の間の付け根には必ず腋芽の原基があります。水に漬けた部分の葉は除かれていると思いますが、腋芽の原基は残っています。その原基が伸びだして小さな葉が作られたのだろうと思います。
ハイビスカスが挿し木で増える様子を観察できるのは楽しみが長く続いていいですね。沖縄旅行で素敵な買物をされたなと思いました。お友達にもいいおみやげになりましたね。



庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-10-15
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