一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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本葉と双葉について

質問者:   会社員   アヒル
登録番号4557   登録日:2019-10-17
初めて質問させていただきます。今年の6月から農業を始めました。よろしくお願いします。
質問内容です。本葉と双葉とはなんですか?できるだけ、わかりやすく教えていただければと思います。
アヒルさん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
「双葉と本葉」と記されていますが、「双葉」という用語は些か曲者です。
植物は基本的に葉、茎、根の3つの器官で構成されていますが、種子は植物の子供と見ることができます(動物の卵とは全く違います)。子葉(幼い葉)、胚軸(幼い茎)、幼根からなる胚(幼植物)が外被を被ったものです。植物の種類によって子葉が2枚あるもの(双子葉類)と1枚だけのもの(単子葉類)があります。双子葉類の多くの種子では発芽後の成長を支える栄養成分(でん粉、タンパク質、脂質など)を子葉に貯蔵しています(そのため、子葉は一般に大きく種子の大部分を占めています。マメ類、ウリ類、クリ、クルミなど)。そうでなく、種子形成の過程に出来る胚乳組織に栄養成分を貯蔵する種類、カキ、ソバなどでは胚乳組織が種子の大部分を占め、子葉は小さいままの種子もありますが)。これらの種子が発芽する(胚が成長をはじめる)と2枚の子葉が地上に顔をだして開き「双葉」となる種類(つまり子葉の下にある胚軸が伸長する。ダイコン、アサガオ、ダイズなど)と子葉は地上に残って子葉の上の部分の茎が成長し、それに単葉一対の初生葉(双葉といえる)を出す種類(アズキ、ソラマメなど)があります。その為、発芽後の「双葉」には、子葉と初生葉の2種類があることになります。
子葉の次以降に出る葉が本葉です。通常、子葉とは形態が異なります。同じことは初生葉にも言え、その後に出る第二葉(本葉)とは形態が異なります。初生葉は本葉の第一葉ということになります。
子葉は、その中の栄養成分を本葉以降の成長のために供給しますが、本葉が光合成をはじめる頃には中の栄養成分も消費し、不必要になり脱落します。
種子の発芽後の成長の様子は、ここに述べた型の中間型も多く、例えば、ダイズ、モヤシマメなどは、明所では子葉の下の胚軸と上の茎の伸長が同時に進み、初生葉の双葉がはっきりと出て、一対の子葉は茎の中間にとどまって萎びてしまいます。



今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-10-21
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