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根茎と塊茎の違い

質問者:   会社員   ハイジ
登録番号4614   登録日:2020-01-13
根茎と塊茎の違いを教えてください。根茎は地下茎の一部が肥大化したもの、塊茎は水と栄養素を蓄えたもので塊状になったものであるとアロマセラピーの授業で習いました。

根茎についてショウガを例にとって考えてみると、ショウガには
水分も栄養もあると思いますし、形状も塊になっていると思います。

一方、塊茎について、ジャガイモを例にとりますと、やはりこれも水分栄養分があり形状も塊といえます。

根茎と塊茎は何によって区別されているのでしょうか?
教えていただきたくよろしくお願いします。
ハイジさん

みんなのひろば「植物Q&A」へようこそ。質問を歓迎します。

(回答は、植物形態形成の研究が専門の岩元明敏博士(神奈川大学)と相談しながらまとめました。)
植物は、生育域を広げ、また冬季、乾季などの生育に不適な時期をも乗り越えて命をつないでおり、そのもっとも広くみられる対応方法は種子の形成です。別の方策として、茎、根、葉などに有機物を蓄えて生育に不適な時期をじっとしのぎ、生育に好適な時期に貯蔵物を使っていち早く地上部を展開する方策により対応しているものもあります。蓄える器官が茎の場合は、肥大化した器官を塊茎と呼び、馬鈴薯の「いも」はこれにあたります。一方、サツマイモは根に蓄えるので、「いも」は塊根となります。維管束植物の基本的構造は、根、茎、葉です(花は特殊化した葉だとみなされます)。根と地下茎は、外見では区別が困難な場合もありますが、横断面の組織の形態を比較したとき、木部と師部の配置が下記のように違うので区別できます。根では中心にある1つの木部の外側を複数の師部が取り囲み、さらにその周りを多数の柔細胞が埋めているのに対し、茎では木部と師部が対をなしたものが複数個あり、それらは周りを多数の柔細胞によって囲まれています。ジャガイモとサツマイモは地下にできた貯蔵器官ですが、その形成過程を追うと、前者は茎の肥大により、後者は根の肥大によりできたものであることがわかります。

さて、質問の「根茎」という用語についてですが、日本語の熟語の作り方では、後に出てくる語が主体で、前に出てくる語は修飾語です。根茎は、タケの地下茎のように、一部の茎が地中を這い、大まかな外見が根のようになっている部分を指す言葉です。肥大化していないものが一般的でしょうが、肥大化しているものを指す場合もあり、塊茎との違いは時に曖昧になります。実際に、ショウガに対しては、根茎を使うのが一般的ですが、塊茎と呼ぶ例も見受けられます。ジャガイモの場合は、肥大化した部分が球形に近い形をしているので、塊茎と呼ぶのが一般的です。

ショウガの可食部分は日常生活的には「根」と呼ばれていますが、生物学的には茎が肥大化したものであり、掘ってみると、可食部分からひげ根がたくさん生えています。



岩元 明敏(神奈川大学)
JSPPサイエンスアドバイザー
櫻井 英博
回答日:2020-01-29
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