植物Q&A

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シクラメンの球根について

質問者:   一般   りさ
登録番号4621   登録日:2020-01-20
登録番号4619で受付をしていただいたものです。
誤字があったので、改めて質問させてください。

シクラメンの球根は、塊茎と球茎どちらなのでしょうか?
シクラメンの育て方を調べていたら、シクラメンの球根は塊茎だと記載しているものと、球茎だと記載しているものがありました。
お花屋さんやホームセンターなどで売られているような、花も葉もたくさんつけた球根を見たのですが、私の目には、サトイモのように皮があるように見受けられました。
よって、球茎だと思っていたのですが、発芽したてのような若い球根はツルンとしており、皮はないので塊茎かとも思うのです。
一体どちらなのでしょうか?もしくは、成長するにしたがって塊茎から球茎に変化するということで、どちらでもあるのでしょうか?
勉強不足で申し訳ありません。後学のために、ご教示賜りたく存じます。

ご面倒をおかけしてすみません。
よろしくお願いいたします。
りささん

みんなのひろば「植物Q&A」へようこそ。質問を歓迎します。

(回答は、植物形態形成の研究が専門の岩元明敏博士(神奈川大学)と相談しながらまとめました。)
維管束植物の基本的構造は、根、茎、葉です(花は特殊化した葉だとみなされます)。葉や根は、茎についており、葉と根は直接つながってはいません。植物は冬季、乾季などの生育に不適な時期をも乗り越えて命をつないでおり、そのもっとも広くみられる対応方法は種子の形成ですが、一部のものは茎、根、葉に有機物を養分として蓄え、生育に適した時期になると発芽することにより対応しています。貯蔵器官が茎の場合、肥大化した器官部分を一般的には塊茎と呼び、馬鈴薯の「いも」はこれにあたります。一方、サツマイモの場合は、貯蔵器官は根です。

 シクラメンは、地下の肥大化した茎に有機物を蓄えて、生育に不適な夏の乾季を乗り越えます。さて、質問の「塊茎」と「球茎」の厳密な区別はないように思いますが、シクラメンのように主軸の下側に貯蔵器官が1つだけできる場合は球状になると考えられ、形が円対称なので「球茎」と呼ぶのがしっくりするという気がします。馬鈴薯の場合は、丸い形をした芋が複数個できるが、円形であっても円対称ではないので、塊茎と呼ぶのが適当でしょう。上述のように、シクラメンの場合は、塊茎と呼んでもいいが、より限定的に球茎と呼んでもいいでしょう。どちらを使うかは好みの問題だという気がします。

なお、少し専門的な話になりますが、シクラメンの球茎は確かに茎なのですが、馬鈴薯やサトイモとは異なり「胚軸」と呼ばれる種子の中で作られる子葉と幼根をつなぐ部分が肥大化したものです(馬鈴薯、サトイモは通常の茎が肥大化したものです。サトイモの場合、皮のようにみえるものは実は葉です)。胚軸には普通の茎と違って、一般的に葉は作られません。シクラメンの場合、球茎が胚軸由来であるため表面に葉はつくられず、そのため「つるん」とした様子になります。

 
岩元 明敏(神奈川大学)
JSPPサイエンスアドバイザー
櫻井 英博
回答日:2020-01-30
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