一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ニレの木

質問者:   一般   絵芙さん
登録番号4632   登録日:2020-01-31
万博公園で、小学生2年生に一年間春夏秋冬の4回四季を通して自分が選んだ木を観察させて変化を記録している。その時アキニレ、ハルニレを選んだ子供が「どうしてナツニレ、フユニレは無いの?」と聞かれ、答えを出してあげたいと思い、調べましたが答えが出ません。よろしくお願いします。
絵芙さん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
小学2年生の可愛い質問ですね。無理もないと思います。
ハルニレ、アキニレともにニレ科の落葉高木で、似ているようで葉の大きさ、形、樹形などはっきりと違いますが、特徴は開花の時期が大きく違うことです。ハルニレは春(3~4月)に花が咲きますが、アキニレは秋(9月頃)に咲くのでそれぞれの和名がつけられたものと思われます。ハルニレは春、葉が芽吹く前に黄緑の花を咲かせますので遠くから見てもすぐに分かります。単にニレ(楡)または楡の木と言ったときにはハルニレを指しています。残念ながら日本には夏期や冬期に開花するニレの仲間はありません。この他日本ではオヒョウというニレの仲間もよく見かけますがこれも春に葉が出る前に花を咲かせます。
植物の和名にハル、ナツ、アキ、フユとか〇〇ザキ(咲き)といった季節名を用いることは珍しいことではありません。ついでにこれらの四季は暦ではいつに当たるかを調べてみましたら、気象学的区別(気象庁が使用)、天文学的区別(夏至や冬至を基準とする)、暦による区別(二十四節季による区別)、年度による区別(学校行事や放送番組編成などで使用)などがあり、それぞれ微妙に違っています。1月は上記の区別ではどれも「冬」ですが短歌、俳句などでは1月は春の季語とされていますし年賀状に「新春」が使われますね。


今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-02-11
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