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年輪から気泡が

質問者:   自営業   佐藤
登録番号4643   登録日:2020-02-09
「年輪の気泡」
乾燥させた屋久杉を単純にノコギリで切ったものを、水に浸けましま。

断面を観察してみると、濃い年輪の線から沢山の大粒の気泡が出てきています。奥から次々と溢れてきます。この線は冬の間に成長したところで、幅が広いところは夏に成長しているところと以前習いました。
夏に成長したところからは、極小の僅かな気泡しか出てきていません。

冬の僅かな年輪部は、色の濃さだけではなく夏とは違う組織が形成されているため、気泡が出てくるのでしょうか。

樹脂のようなものが気泡と一緒にしみ出してきて、気泡が黄色くなっています。色素?樹脂?が水に溶け出しているのか、なにかが揮発?しているのか、数日すると容器の中の水は茶色に変化していました。

佐藤さん

みんなのひろば「植物Q&A」へようこそ。質問を歓迎します。
回答は、国立森林総合研究所・組織材質研究室室長の安部久博士にお願いしました。

【安部先生のご回答】
既に何点かご認識されているようですので、説明させて頂きます。

幅が広い色の薄い部分は「早材」と呼ばれて、春から夏(夏至ぐらい)に形成されます。色の濃い部分は「晩材」と呼ばれて、夏から秋に形成されます。木材の形成は気温によって制御されるので、日本では冬に形成されることはないと思います。泡の出る部位ですが、通常は色の薄い部分の方が細胞も大きいので、大きな気泡が出てくると思います。試された試験体では色の濃い部分から大きな気泡が沢山出ると言うことで、通常は考えられませんが、木材は乾燥すると色の濃い部分の方に目に見えないひびや割れがたくさんできます。そのような部分から水が入り込むことによって、中の空気が出てきているのではないかと思います。なお、基本的な組織構造は同じですが、細胞の大きさは色の濃い部分の方が小さいです。

泡が黄色くなっていると言うことは、樹脂が溶け出している可能性があります。一般に、スギでは樹脂を含んだ細胞(樹脂細胞)は色の濃い部分「晩材」に多く分布しています。スギを水につけておくと、その樹脂成分が溶け出して色が茶色くなります。さらに、樹脂成分の酸化が進むと、水の色は黒くなります。これは普通に見られる現象です。ウィスキーの原酒をオーク樽に入れておくと、ウィスキーの色になるのと同じ原理です。


安部 久(国立森林総合研究所)
JSPPサイエンスアドバイザー
櫻井 英博
回答日:2020-02-18
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