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葉緑体定位運動に関与する植物ホルモン

質問者:   高校生   桃佳
登録番号4645   登録日:2020-02-15
こんにちは。今年私は、学校の論文課題で、イネの葉の葉緑体光定位運動をテーマにした研究をしようと考えています。そこで、植物生理学の教科書を読みました。そして、その中の光応答についての章で「葉緑体光定位運動や気孔開口については、既知の植物ホルモンが関与する可能性は考えにくい。」とありました。なぜ葉緑体光定位運動にはいま知られている植物ホルモンがかかわっているとは考えにくいと言われているのでしょうか。

ご回答宜しくお願い致します。

桃佳 さん

このコーナーをご利用くださりありがとうございます。
葉緑体光定位運動への植物ホルモンの関与について調べるには、問題となる植物ホルモンの生体内での合成から情報としての受容にいたる一連の過程にかかわる遺伝子情報の発現を人為的に制御したり、外部から何らかの方法でホルモンを直接投与するなどして、その影響を解析することが考えられます。「教科書に書かれていることを信じるな」と言われますので、この問題に関心をもたれるのでしたら、「論文課題」の研究でとこまで出来るか分かりませんが、ご自分で確かめられることをおすすめします。葉緑体光定位運動の特徴は、可逆的な運動で、その速度がかなり大きいことにあるように見受けられます。この運動の仕組みに関して多くの研究がなされており、植物の種類によっていろいろなことがあるようですが、光定位運動において植物ホルモンが中心的な役割を担っていることを示す証拠は得られていないのが現状であると思います。

なお、質問文にある気孔の開閉について言えば、その閉口にアブシシン酸がかかわるなど、植物ホルモンが関与することが良く知られています(本コーナーの登録番号2378参照)。本ひろばの解説・エッセイ「気孔の働きと開閉の仕組み」もご参照ください。



佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-02-25
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