一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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リンゴの胚乳の有無

質問者:   会社員   たこすけ
登録番号4651   登録日:2020-02-20
 進学塾にて理科を教えています。
 とある中学受験向け参考書を読んでいたところ、「双子葉類のうち有胚乳種子のものはカキやリンゴなど」という旨の記載がありました。
 しかしながら、インターネットで調べたところリンゴの胚乳の有無についての有力な記載はみられず、個人レベルで運用されているウェブサイトには「リンゴは無胚乳」である旨の記載もみられました。
 実際には、「リンゴは有胚乳種子である」と言えるのでしょうか。また、「双子葉類だが有胚乳種子」の別の例もあわせてご教示いただけると幸いです。
たこすけ様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。リンゴの種子はいわゆる無胚乳種子です。私自身でも確認しました。種子の大部分を占めるのは子葉で、その外側に薄い胚乳層があります。厳密には胚乳組織が全くないというわけではありません。Custard Apple (チェリモヤ) と呼ばれる果物があります。この果実の種子は有胚乳種子ですが、これはリンゴではなくバンレイシ科の植物です。双子葉植物の種子で胚乳組織がはっきりと存在する例として教科書によく記載されるのは、カキとトウゴマ(ヒマ)かと思います。実際にそれぞれ確認はしていませんが、他にもタバコ、トマト、ペッパーなどナス科の植物、コーヒー、ワタ、ケシ(ポピー)、黄麻(jute)、パパイヤ、ミズキやシナノキの仲間、ソバなどの種子が有胚乳種子として記載されています。

勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-02-24
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