一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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オオカナダモの分類

質問者:   一般   知りたい
登録番号4717   登録日:2020-05-07
オオカナダモは、調べたところ、単子葉類と分かりました。また、観察したところ、根はひげ根でありますが、葉脈は不明確であるように見えます。これは、私の、認識が違うのでしょうか。平行脈でないならば、どうして単子葉類に分類されるのでしょうか。また、オオカナダモの胚珠は子房に包まれていないことは、花を観察するとわかりますか?まだ花を観察したことがないので、教えていただきたく思います。
よろしくお願いします。
「知りたい」さん

みんなの広場「植物Q&A」へようこそ。
質問を歓迎します。
回答は、植物分類学が専門の藤井伸二博士(人間環境大学人間環境学部、岡崎市本宿町)にお願いしました。

【藤井先生の回答】
オオカナダモは沈水植物であるため,水分や養分のやりとりを細胞表面から直接行います.このため,一般の陸上植物の葉に発達する導通組織(=葉脈)が発達しません.その結果,葉脈がありません.オオカナダモのように葉脈が発達しない特性を持つ植物について,その葉脈形質によって単子葉類か否かを判断することは不能です.葉の脈形で判断することは簡便な方法ではありますが,こうした例外的な植物では使えません.

単子葉類の胚珠と子房について間違った知識をお持ちのようです.胚珠が子房壁に包まれていない特徴は,裸子植物のものです.オオカナダモは,その胚珠が子房壁に包まれた被子植物の一つです.なお,日本に帰化しているオオカナダモは雄株のみで,国内に雌株は存在しません.残念ながら,国内でオオカナダモの雌花を観察することはできません.



藤井 伸二(人間環境大学人間環境学部)
JSPPサイエンスアドバイザー
櫻井 英博
回答日:2020-05-14
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