一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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単子葉植物と双子葉植物の細胞は異なるのか

質問者:   中学生   ouki
登録番号4727   登録日:2020-05-14
単子葉植物と双子葉植物はそれぞれ葉の構造が違いますが、
細胞も大きく異なるものなのか、できるだけわかりやすく教えてください。
oukiさん

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。
まず「単子葉植物と双子葉植物はそれぞれ葉の構造が違います」ということですが、それは葉脈の並び方に注目するからでしょう。学校ではその並び方で両者を区別することを習いますが、葉としての基本的構造は両者とも同じです。学校で習っていると思いますが、一番外側は表皮、その内側に柵状組織、その下に海綿状組織、そして裏側の表皮組織があります。柵状組織と海綿状組織は光合成をするところで、細胞内に葉緑体があります。表皮、ことに裏側の表皮には気孔という小さい孔が沢山あります。この孔から空気(二酸化炭素、酸素)や水蒸気が出入りします。また、海面上組織の中には水や養分(光合成で作った物質)などを輸送する通道組織(葉脈)が通っています。
そこで、質問の「細胞も大きく異なるか」ということですが、基本的には異なりません。構造的には葉脈の配列以外に、単子葉植物では柵状組織と海綿状組織は双子葉植物と比べて発達が悪い傾向があるくらいでしょう。表皮細胞の形は植物全般にわたって様々ですが、一般的に言えば、双子葉植物ではパズル絵のピースのような形をしているものもありますが、単子葉植物ではだいたい長方形のものが普通です。細胞のサイズは植物全般にわたってまちまちです。ということで、何を持って「大きく異なる」と判断するかによりますが、答えは「大きく異なることはありません」ということです。


勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-05-19
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