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サトウキビと早生広葉樹の二酸化炭素吸収量について

質問者:   会社員   まる
登録番号4772   登録日:2020-06-25
はじめまして。
近年、カーボンニュートラルな世界を構築しようと各国が動いていることもあり、以下疑問を持ちました。

エタノールなどに盛んに利用されておりますブラジル等のサトウキビとブラジルやアフリカ等で植林されている早生広葉樹どちらが二酸化炭素を多く固定してくれるのかということです。

サトウキビの方が成長量が早いと思うので、1年間で見た際の二酸化炭素吸収量は早生広葉樹より大きいと考えるのですが、伐採迄を考えた際には、全体の二酸化炭素吸収量はどうなりますでしょうか。

ご回答頂けますと幸いです。
まる 様

この質問コーナーをご利用いただきありがとうございます。

いわゆる「環境影響評価」の視点では、植物はライフタイム全体としては「カーボンニュートラル(Carbon neutral)」な存在と見なされます。出来ることなら生長が進んでいる「カーボンポジティブ」な段階だけを活用したいところですが、植物体を何処かに長期保存する方法が見つからないかぎり、結局は燃焼・腐敗などの過程により二酸化炭素に変換され、「カーボンネガティブ」な役割を果たすことになります。したがって、現実的な課題は、「カーボンネガティブ」な過程である植物体の分解を出来るかぎり(エネルギー的に)価値あるものとする工夫によって化石燃料依存の「カーボンネガティブ」な過程の負荷を緩和することであり、このためには食糧・燃料・資材などとしての植物の活用の工夫が関心の中心になります。メリット分を増やすためには、植物の生育速度を増やすことが重要であることは言うまでもありません。

さて、ご質問である「毎年の収穫を伴う作物(サトウキビ)と何年にもわたって生育を続ける樹木(早生広葉樹)による二酸化炭素吸収量の長期的な比較」は簡単ではありません。先ずは同じ環境条件下で行われた光合成速度などの測定結果が必要で、更にはそれぞれの植物について利用過程を含めたライフサイクル全体を考慮に入れたエネルギー収支の数値が必要になます(作物の栽培での毎年の管理、伐採や運搬を含めた植物体の利用過程で投入されるエネルギーを含む)。このような問題はCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)の専門家会議のような場で議論されていることかも知れませんが、本質問への回答(回答になっておりませんが)はここまでとさせていただきます。


佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-07-03
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