一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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トマトの皮の構成成分

質問者:   一般   ギャモン
登録番号4789   登録日:2020-07-03
トマトの皮(一番外側のツルツルしている外皮)の構成成分は何ですか?

消化しにくいと聞くので、何でできているのか知りたいです。
ギャモンさん

みんなのひろばへようこそ
質問を歓迎します。

トマトのもっとも外側の皮の部分は外果皮と呼ばれ、脂質を主成分とするクチクラでできています。クチクラの最外層はワックスで、隣接した内側にはクチン(OH基を持つ脂肪酸が重合してできた高分子)が主体で、ワックス、ヘミセルロース(植物に含まれるセルロースを除く水に不溶の多糖類)、ペクチン質も含まれています。したがって、外果皮の部分は、ヒトが食べてもほとんど栄養価はないと考えられます。

野生トマトの果実は、鳥や哺乳類に食べてもらうことにより種子を広域に散布してもらえるようにできています。種子が成熟すると、果実は赤ないし黄色に色付き、内側(中果皮、内果皮)には糖分を蓄積し、動物たちが食べに来ます。外果皮の役割は、水の蒸発を防ぎ、細胞が内部に蓄積した成分の浸透圧によって水膨れするのを防いでいます。



櫻井 英博(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-07-16
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