城井様

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面白い形の葉ができてきましたね。この植物はカタバミ（Oxalis corniculata Linn.）だと思います。カタバミもクローバーと同じように四つ葉や５つ葉などの異常葉が見られます。こう言う馬てい形の葉は自然界ではないでしょうね。馬てい形葉の例としてはヒメアギスミレの葉が挙げられますが、全く形が違います。
この葉は三つ葉を取り除いたら出来てきたということですが、葉の生育のいつの段階で、どのようにして切除されたのでしょうか。３小葉とも葉柄の付け根できっちりと切除されましたか。もしかすると、切除した時は小葉がまだ小さくて、引きちぎったつもりでも周辺部が残っていて、小葉の成長とともにこのようになったのかもしれません。成長した小葉を切除してしまうと、新たに別の小葉が分化してくるということはないと思いますが、もし、仮にそうだとすると、切除したことにより、新しく分化した３つの小葉原基に等しく同じような傷ができて、真ん中の組織が失われたということになります。４つ葉ができるのも葉原基に傷がつくからです（本コーナーで検索してください。）。標本を残されているのですから、小葉の付け根のところを拡大鏡などで観察されて、切除した小葉の痕跡があれば、馬蹄葉は新しくできたと考えられますが、なければ引きちぎったつもりの小葉ということになります。
たまたま現れたにしても珍しい葉ですね。因みに、カタバミの異常葉にはどんなものがあるかあるか調べてみましたが、こういうものは報告されていません。米国コーネル大学での学位論文（2011年）に別のカタバミの種（O. reznellii）の葉形に及ぼす栄養・生理的諸条件の影響を調べたのがありますが、このようなあるいはこれに似た変わった葉形は記載されていませんでした。