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ゼニゴケの雄株・雌株は混在して生育しているのが普通ですか?

質問者:   その他   KGりかこ
登録番号4802   登録日:2020-07-15
理科の授業のために毎年ゼニゴケを校内で採取しています。年々、生育場所が減少しており、雌株を少ししか見つけられなくなり校外で採取するように…。が、昨日、体育館裏(北側)で雄株・雌株混在の大量繁殖を初めて発見し、とても驚きました!
「みんなのひろば:登録番号2317」を拝見し大変参考になりましたが、さらに2点ほど教えて頂けると幸いです。

①遠赤色光(太陽光)を浴びられる環境であれば雄株・雌株混在生育は普通のことですか?
②無性芽も見られるのですが、有性生殖が行える環境下でも無性生殖が行われているのですか?

※雄株・雌株が混在繁殖した場所には桜の大木がありましたが、昨年伐採され、今年は太陽光を浴びられる環境になったようです!
KGりかこ様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。ご質問に対しては、登録番号2317の質問への解答者でもあるゼニゴケに関する研究をされている京都大学大学院生命科学研究科教授の河内孝之先生にお願いして、以下のような回答をいただきました。

【河内先生のご回答】
桜の木が伐採されたところにゼニゴケを見つけられたとのこと、日陰者のイメージのゼニゴケですが、御指摘のように案外と明るい場所で繁栄しています。維管束をもった植物がやってくるまで陽当たりのよい環境を謳歌しているのかもしれません。
最初の質問ですが、普通であるかという疑問にはなかなか答えにくいところです。ゼニゴケは性染色体を持つ雌雄異株植物で、遺伝的に雌雄が決まっています。環境によって、性が転換することはありません。1度の受精によってつくられる胞子の数は30万にも及び、そのなかには雌雄は半分ずつ含まれます。観察された群落がどれだけの個体からできているかはわかりませんが、もともと雌雄のゼニゴケが混在していたということになります。

2つ目の有性生殖と無性生殖が両方観察できたという点は、興味深い点を含んでいます。実際に観察された通り、群落全体をみると有性生殖と無性生殖の両方を見ることができます。本コーナー登録番号2026の質問への回答の後半でも触れていますが、ひとつの葉状体の先端に注目すると先に雌器托や雄器托を作り始めた葉状体には無性芽はできにくくなるようです。雌器托や雄器托と杯状体が発生する葉状体上での場所は異なるため完全に排他的という訳ではありませんが、生殖成長の時期になると葉状体の先端には雌器托や雄器托が作られるようになり(正確には分岐して2つになった葉状体の片側に作られることが多い)、無性芽を作る杯状体は新たには発生しにくくなるようです。


河内 孝之(京都大学大学院生命科学研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2020-07-25
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