一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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蔓の巻き方と脇芽の関係について

質問者:   一般   ぴっちゃん
登録番号4806   登録日:2020-07-18
あさがおを観察しており少し疑問が出てきました。

蔓を横に横にと巻き直している株は脇芽がどんどん成長していますが、自然に上へ上へと巻いている株は脇芽があまり成長せず蕾がどんどんついています。

蔓の巻く方向によって脇芽の成長に影響を与えるのでしょうか。

よろしくおねがいします。
ぴっちゃん様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。ご質問に対して、アサガオに関する研究を続けてこられた新潟大学名誉教授の竹能清俊先生に回答をお願いしました。
回答でも指摘されていますように、実際にどのような操作をなさったのか明確ではありません。もし、巻き方の方向を変えてこのような結果になったのでしたら、珍しい現象かもしれません。

【竹能先生からのご回答】
ご質問の内容を確認させてください。蔓を横に横にと「巻き直している」ということですが、支柱に巻きついた蔓をほどいて逆方向に巻きつけたのでしょうか?それとも、「横に横に」と「上へ上へ」という表現が対比されていることからは、「蔓の巻く方向」というのは、左巻き・右巻きのことではなく、横向き・縦向きのことのようにもとれます。実際に観察された状況がはっきりしないと何とも言えませんが、左巻き・右巻きの違いの影響に関してならば、蔓植物の蔓の巻き方を人為的に逆転させると花芽がつきやすくなるという例が知られています。今回疑問に思われている株では蕾がつきにくくなっているようですので、従来の知見とは逆の観察結果なのかもしれません。
あるいは、ご質問は左巻き・右巻きの違いの影響ではなく、横向き・縦向きの違いの影響についてなのでしょうか?もし、そうであれば、アサガオの蔓を支柱に巻き付けさせずに横に(水平に)這わせると、蔓の基部から子蔓(腋芽が成長したもの)が伸び出すことがあります。
また、支柱に巻きついた蔓を途中までほどいて垂れ下がるようにすると、蔓が横向きになった(折れ曲がった)部分の近くから子蔓が伸び出すことも知られています。今回疑問に思われている株の振る舞いは、これらの現象と似ているようです。このような現象は植物ホルモンが関与する頂芽優勢で説明できそうです。
いずれにしても、今後もしっかり観察されることをお薦めします。


竹能 清俊(新潟大学名誉教授)
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2020-07-27
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