一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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枯れた枝豆は復活するのか

質問者:   小学生   コナン
登録番号4824   登録日:2020-08-05
学校の授業で枝豆を植えました。
いよいよ収穫という頃に枯れてきてしまい、水をやっても茶色くなる一方で今では根も茶色くなっています。くやしいです。もう復活させることはできないですか
コナン さん

ご質問をありがとうございます。

枝豆をつける植物であるダイズは、根がよく発達していてどちらかと言えば乾燥には強いので、普通の栽培では水やりをする必要はなく、水不足のため立ち枯れになることは珍しいと思います。あなたが学校で育てたのはポット栽培で、水やりを忘れたために枯らしてしまったのでしょうか。

もし、まだ緑色の部分が少しでも残っていれば(理屈の上では、分裂する力をもつ細胞が一つでも残っていれば)、工夫によっては植物体を再生(復活)することができるかもしれません。しかし、細胞が死んでしまって茶色になった部分からの再生は無理だと思います。

ダイズのような草本は、水不足になると葉や茎がしおれ、葉が巻きこんだりしますが、この程度の段階では水を与えてやると生気をとりもどします。しかし、水が欠乏して細胞内部の重要な構造がこわされ、緑色の色素であるクロロフィルの分解が進むと、破壊活動が優勢になり、復活はできなくなります。死んだ植物体からの復活には、恐竜やネアンデルタール人のDNAからの生物体復元の場合のような課題があります。



佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-08-11